今日からシーテック!見どころ、まるっと早わかり

IoTの“風”を捉えられるか

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手のひらサイズの小型ロボット「KIROBOmini(キロボミニ)」
 4日に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開幕するエレクトロニクス展示会「シーテック」。2016年からはIoT(モノのインターネット)を前面に押し出した。これまで出展者は家電や電子部品の性能を訴求してきた。今回は機器を使い、どんな価値を提供できるかを競う展示が増える。IoTの“風”を捉え、日本の電機産業の道しるべとなる展示会に脱皮できるか。

 主催者の一つ、電子情報技術産業協会(JEITA)の長尾尚人専務理事は3日に会見し「産業、技術、政策をつなぎ合わせることが豊かさにつながる。そういった世界を見せたい」と訴えた。

 その変化の象徴の一つが「異業種・ベンチャー」だ。特別スペース「IoTタウン」にはセコムやJTBなど異業種10社が合同で出展する。またベンチャー・大学・研究機関の出展者数は15年比で2・5倍に増えた。

 大量のデータを分析し、新たな価値を提供するのがIoT。競争軸は機器の性能ではなく、その機器を使ってどんなサービスを実現できるかに移る。ただ、それを実現するには1社では限界がある。そこで海外とのつながりも意識し、海外企業が参加するマッチングイベントも開く。

 シーテックは日本の電機産業を映す鏡でもある。日本の家電各社は韓国・中国勢に後塵(こうじん)を拝し、シーテックも地盤沈下した。シーテックはIoTという波を捉え、かつての活気を取り戻せるか。それは日本の電機産業の行方も占う。

【シャープ】AI+IoT快適な生活を



 シャープは「IoTで彩る新しい暮らし」をテーマに、人工知能(AI)とIoT(モノのインターネット)を組み合わせた「AIoT」を家電に採用し推進している。展示会では、さまざまな家電や住宅設備をつなぐ接続機器「ホームアシスタント=写真」を紹介。各種機器を音声対話で一元的に操作できる点を訴える。

 家庭の機器がクラウドと連携し、AIが使用者の好みを理解して快適な生活を提案する「AIoTスマートホーム」の実現に向け、これまでにない商品を展示する。

【TDK】触覚デバイス向けユニット



 TDKは振動によって情報を伝える触覚デバイス向けの標準ユニット製品「薄型ユニモルフユニット」を展示する。これまでカスタマイズ製品に限定していたが、触覚デバイスが注目されていることから、初めて標準ユニットを作った。

 薄型化した積層圧電振動子を使用することで、従来の振動モーターと比べ、厚みを10分の1以下まで小型化することに成功した。指先で感知できる操作パネルなど、薄型の触覚デバイス機器向けに訴求する構えだ。

【パナソニック】店舗の新たな空間演出提案



 パナソニックは「IoTが変える暮らしやビジネス」をテーマに、開発中のIoT(モノのインターネット)関連技術やソリューションを展示する。特に注目されるのが、ガラスに投射した映像とその背後にある風景などを重ねて表示できる「ウィンドウARプロジェクション=写真」。店舗での新たな空間演出を提案し、導入を促す。

 NTTコミュニケーションズと共同で開発した技術。観光地などに設置したカメラで撮影した画像をクラウド経由で入手できるシステムを紹介している。

【村田製作所】ゴルフの動きデータを記録



 村田製作所は、小型化技術の一つとしてモーションキャプチャー用センサープローブを開発し、ゴルフスイングの動きをデータに取り込むデモ(写真)を実施する。加速度・ジャイロ・地磁気センサーや近距離無線通信規格「ブルートゥース・ロー・エナジー」対応通信モジュール、ワイヤレス給電などを小型デバイスに内蔵した。従来の有線タイプに比べ、体の自由な動きを正確に検知してデータを記録できる。ウエアラブル機器向けの展開を強化するのが狙いだ。

【トヨタ】音声対話ロボ体験ブース


 トヨタ自動車は2年ぶりの出展になる。人型コミュニケーションロボット「KIROBOmini(キロボミニ)」と音声対話を行ったり、実際に触れ合えたりできる体験ブースを設置し「共感するコミュニケーション体験」を提供していく考えだ。

 また、水素社会の到来に向けて燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」の断面モデルや、グループ会社の燃料電池駆動フォークリフトの実車を展示する。これにより環境面での利点や水素エネルギーの活用事例をアピールする。

【日立】IoT関連の取り組み紹介


 日立製作所は、自社のIoT(モノのインターネット)関連の取り組みを幅広く紹介する。作業品質管理といった生産現場の改善に役立つソリューションや、今春に本格運用を始めたIoTプラットフォーム(基盤)「ルマーダ」などを展示する。

 また接客や案内サービスを行う人型ロボット「エミュー3」や、安全性の高い顔照合システムを披露する。多様なIoT技術を投入し、都市インフラなど社会の課題を解決するビジネス「社会イノベーション事業」を拡大する。

【楽天】ネット情報と生活をつなぐ



 楽天と楽天技術研究所が展示した技術「zapzap(ザップザップ)=写真」は、インターネット内の情報と店舗や消費者の生活をつなぐ。例えば、携帯端末のタッチパネル上に文庫本を置くと、登場人物や地名などを表示。言葉をタッチすると、この言葉を含む1文が表示され「ネタがばれない程度に本の内容が分かる」(担当者)という。カメラで表紙を識別し、ネット上から情報を取得する仕組み。本以外に、置いた食材を使ったレシピや商品のレビューなども紹介できる。

【海馬】ロボット通じ遠隔地と会話



 ベンチャー企業は遠隔操作や映像・音声伝送など、ロボット技術を活用した展示が目立つ。海馬(東京都港区、榊原克衛社長、03・5413・3710)は、遠くにいる人と目の前にいるようにコミュニケーションできるロボット「caiba(かいば)=写真」を展示。ロボットが見た映像をヘッド・マウント・ディスプレーに映し出し、ロボットは人の手の動きを再現する。榊原社長は「空港での通訳業務や、観光などに利用できる」と話す。2020年には実用化する考えだ。

<ご案内>
「EPSON×ニュースイッチ」 ARスペシャルイベント in CEATEC

日刊工業新聞2016年10月4日

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明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

ニュースイッチも10月5日にセイコーエプソンさんとARと地方創生をテーマにしたコンファレンスを開催します。ご興味のある方はぜひ。

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