【日本の空に挑む#2】ベトナム航空、「増便で業務渡航の選択肢を増やす」
日本地区総支配人のグェン・クァン・チュン氏に聞く。ANAと多方面で連携
―日本路線の利用率など、旅客需要は。
「日本路線の利用率は平均で82%と高水準を維持している。日本企業のベトナム進出による業務渡航の拡大や、ベトナムからの訪日需要が利用率を底上げしている。日本は羽田、成田、中部、関西、福岡の5空港、ベトナムはハノイ、ホーチミン、ダナンの3空港に就航し10路線を運航している。中部、福岡、関西は全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)が就航していないので優位性が高い」
―新規就航や増便など、路線を拡大してますが、今後の計画は。
「2017年1月から中部―ホーチミン線を現在の週4便から週5便に、福岡―ホーチミン線を現在の週2便から週3便に増便する。福岡線はハノイ線とホーチミン線を合わせるとデイリー運航となり、さらに利便性が上がる」
―米ボーイング787―9型機や欧エアバスA350型機の導入など、機材更新が進んでいます。
「1月に成田路線に787―9を導入し、ビジネスクラスが180度倒れるフルフラットシートになるなど、サービスを大幅に向上した。現在は成田線のみだが、今後は羽田線や関西線にも導入する予定だ。A350もいずれかの路線に導入する方向で進めている」
―今後の収益拡大のポイントは。
「業務渡航の拡大が課題。業務渡航はスケジュールが大事なので、中部線や福岡線のように増便で選択肢を増やしていくほか、マイレージのサービスも拡充したい。ネットワークやサービスが浸透し、他社を利用していたビジネス客が当社を選んでくれるようになっている。さらに競争力のある料金設定やサービス向上などを進めたい」
―資本提携したANAとの連携は。
「共同運航は冬ダイヤの中で実施していきたいと考えている。資本関係だけでなく、互いに向上し合えるパートナーとして、運航や整備など、多方面で連携し、運航の効率化などにつなげたい」
日本への留学生数、中国に続く第2位のベトナム。僕の故郷の秋田で、父が留学生の受け入れの支援をしていたが、やはりその大半もベトナムからの留学生であった。留学生は、総じて理工学を学びに来ていた。
その中の一人、うちの両親と親しくしていた留学生のグェン君。日本の大学を卒業後、数年日本の化学メーカーで働き、今年ベトナムに戻り起業した。自分が日本で勤めたメーカーともアライアンスを組んで、ベトナムでこれからまだまだ需要が伸びるセメント・コンクリートの土木建築を発展させるのだという。
日本の各地で学んだ留学生たちが、日本の企業と組みながら、ベトナムの新たなビジネスリーダーになっていく。日本各地に就航するビジネス便は、彼らの架け橋になるし、それと同時に日本各地の企業の海外進出の手助けになるだろう。
「日本路線の利用率は平均で82%と高水準を維持している。日本企業のベトナム進出による業務渡航の拡大や、ベトナムからの訪日需要が利用率を底上げしている。日本は羽田、成田、中部、関西、福岡の5空港、ベトナムはハノイ、ホーチミン、ダナンの3空港に就航し10路線を運航している。中部、福岡、関西は全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)が就航していないので優位性が高い」
―新規就航や増便など、路線を拡大してますが、今後の計画は。
「2017年1月から中部―ホーチミン線を現在の週4便から週5便に、福岡―ホーチミン線を現在の週2便から週3便に増便する。福岡線はハノイ線とホーチミン線を合わせるとデイリー運航となり、さらに利便性が上がる」
―米ボーイング787―9型機や欧エアバスA350型機の導入など、機材更新が進んでいます。
「1月に成田路線に787―9を導入し、ビジネスクラスが180度倒れるフルフラットシートになるなど、サービスを大幅に向上した。現在は成田線のみだが、今後は羽田線や関西線にも導入する予定だ。A350もいずれかの路線に導入する方向で進めている」
―今後の収益拡大のポイントは。
「業務渡航の拡大が課題。業務渡航はスケジュールが大事なので、中部線や福岡線のように増便で選択肢を増やしていくほか、マイレージのサービスも拡充したい。ネットワークやサービスが浸透し、他社を利用していたビジネス客が当社を選んでくれるようになっている。さらに競争力のある料金設定やサービス向上などを進めたい」
―資本提携したANAとの連携は。
「共同運航は冬ダイヤの中で実施していきたいと考えている。資本関係だけでなく、互いに向上し合えるパートナーとして、運航や整備など、多方面で連携し、運航の効率化などにつなげたい」
ファシリテーター・土田智憲氏の見方
日本への留学生数、中国に続く第2位のベトナム。僕の故郷の秋田で、父が留学生の受け入れの支援をしていたが、やはりその大半もベトナムからの留学生であった。留学生は、総じて理工学を学びに来ていた。
その中の一人、うちの両親と親しくしていた留学生のグェン君。日本の大学を卒業後、数年日本の化学メーカーで働き、今年ベトナムに戻り起業した。自分が日本で勤めたメーカーともアライアンスを組んで、ベトナムでこれからまだまだ需要が伸びるセメント・コンクリートの土木建築を発展させるのだという。
日本の各地で学んだ留学生たちが、日本の企業と組みながら、ベトナムの新たなビジネスリーダーになっていく。日本各地に就航するビジネス便は、彼らの架け橋になるし、それと同時に日本各地の企業の海外進出の手助けになるだろう。
日刊工業新聞2016年9月28日