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年に2割以上のショップがリニューアル。「ルミネエスト」を支える施設管理

青木奈々江さんが実感する仕事の喜び 「飽きない職場である」
年に2割以上のショップがリニューアル。「ルミネエスト」を支える施設管理

ルミネエスト店に新設した授乳室。利用者がSNSで発信したくなる内装デザインを目指した

 華やかな商業施設を支える「施設管理」という仕事があることをご存じだろうか。私自身、就職するまでまったく知らなかったが、日常を少し楽しくするファッションやサービスに興味があり、今の仕事に巡り合った。

 20―30代の女性を主要顧客とするファッションビルで改装の企画立案から工事、メンテナンスを担当している。工事が完了した喜び以外にも、お客さまやビルで働くスタッフに喜ばれた、売り上げが伸びたという成果も感じられる仕事だ。

 現在勤務しているルミネエスト店は都心の新宿という立地で10代後半から20代前半向けの流行最先端を提案する商業施設である。だが、華やかな売り場の裏側では老朽化による雨漏りや設備トラブル対応など予想外のことも多く、飽きない職場である。


 主な業務のひとつであるショップの改装工事は同時期に30店舗以上、1年で館全体の20%以上のショップのリニューアル工事を行う。出店者、デザイナー、設計者、施工者、設備保守管理者などさまざまな分野の方と関わりながらプロジェクトを推進する。

 限られた工期、予算の中で最善のものになるよう、設計内容、工程、工事費などを調整していく。必要な知識は多岐に渡る。自分は設計も施工も専門ではないが、知識や経験が増え、以前よりも中身が濃い打ち合わせ、より良い選択ができたと感じる時は成長を感じてうれしい。

 現在の仕事や環境はとても気に入っているが、入社して10年、転職を考えたこともある。その際に頭をよぎるのは女性としての働き方。家庭を持ち、いずれは子育てもしたい。理想の人生計画と職場の環境や労働条件、自分の年齢など、さまざまなものをてんびんにかける。

 一番やっかいなのが年齢だ。もし自分が男性だったら、もっと単純な選択ができるのではないかと思うこともあった。今も悩みや迷いがまったく無いわけではないが、学生時代にやりたかったことを実現できる職だと思う。今の環境に感謝して、少しでも貢献できるよう、後悔しないよう、前を向いていきたい。
〈プロフィル〉
青木奈々江(あおき・ななえ)07年千葉大工卒、同年ルミネ入社。立川店、本社を経験し、現職。
※「凛としていきる」は日刊工業新聞で毎週火曜日に連載中。企画協力・日本女性技術者フォーラム(JWEF)
日刊工業新聞社2016年9月27日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
不動産業の収益は管理の部分が大きく左右です。入れ替わりの激しいファッションビルなどは特に直結するだろう。ビジネスセンスと流行センスと、コスト意識と・・必要な素養はとても多く女性の知識が入ってくればいいと思う。

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