iPhone7はキャッシュレスセルフレジの導入に追い風?

日本NCR、外国語対応で攻勢。電子マネー規格の乱立が依然障害に

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「auSHINJUKU」でのセレモニーに参加したKDDIの田中孝司社長
 日本NCR(東京都中央区、内藤眞社長)が、電子マネーやクレジットカードの決済のみに対応したセルフレジ(キャッシュレスセルフレジ)の拡販に乗り出した。2015年には、全国展開する雑貨店とCD販売店の一部店舗に初納入。電子マネーの普及拡大を追い風に、今後もファストフード店などの新市場を開拓したい考えだ。

 日本NCRは、現金対応型を含むセルフレジ世界最大手の米NCRの日本法人だ。現金対応型セルフレジは日本国内でもシェアトップに立つが、キャッシュレスセルフレジの販売実績はゼロだった。

 その状況に変化が訪れたのが15年。自社の「セルフサーブ90」を、雑貨店「無印良品」の有楽町店(東京都千代田区)に2台、11月にはCDショップ「HMV」の渋谷店(同渋谷区)に7台納入した。16年に入っても無印良品、HMVともに設置店舗を増やした。

 追い風となったのは、電子マネーで支払う消費スタイルが浸透してきたことだ。16日発売のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)7」は、日本で普及している非接触型ICカードシステム「フェリカ」に対応しており、さらに電子決済が進むと見込む。

 キャッシュレスセルフレジは、消費者自身が商品をスキャナーにかざし電子マネーなどで決済する。現金をやりとりしない分、レジでの支払い作業が短く済む。コンビニ関係者は同レジ導入により「単品買い顧客の利便性向上を期待できる」と指摘する。

(日本NCRのセルフサーブ90)

米国でも比率はまだ5%


 また日本NCRの「セルフサーブ90」は英語や中国語の表示や音声案内にも対応する。同社の池田裕之流通ビジネス事業部リテールマーケティング部統括部長は「無印良品には訪日外国人観光客向けのサービス向上につながることも評価された」と明かす。

 キャッシュレスセルフレジは現金収納スペースがないため機器の価格が安く小型。導入しやすさや省スペース化も店舗側の利点だ。先行する欧米ではスーパーマーケットやコンビニに加え、ファストフード店やパン屋など飲食店、空港免税店での設置も進む。

 米NCRのジョン・ケネディ流通ソリューションマネジメントマネージャーは「米国ではセルフレジのうちキャッシュレス型の比率は約5%。今後さらに増えていく」と見る。日本NCRも多様な分野に提案を積極化する意向だ。

 国内メーカーもキャッシュレスセルフレジの販売に注力する。東芝テックは8月末に公表した18年度までの3カ年中期経営計画で、同レジの製品力向上を図る方向を示した。

 キャッシュレスセルフレジ普及には課題もある。業界関係者は「国内は電子マネー規格が乱立していることが導入の障壁」と指摘する。店舗側にとっては対応規格を増やせば機器のコスト高になり、減らせば消費者の利便性低下につながる。メーカー側には導入先店舗の顧客特性などの特徴を把握した上で、最適な機器仕様を提案するといった取り組みが求められる。
(文=大塚淳史)

日刊工業新聞2016年9月16日



予約は「過去最高」だが・・



 NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社は、米アップルの新型スマートフォン「iPhone(アイフォーン)7/7プラス」を一斉に発売した。各社は都内の旗艦店で記念セレモニーを開き、発売の瞬間を盛り上げた。アイフォーン7はソニーの非接触技術「フェリカ」による決済機能を搭載しており、セレモニーに登壇した経営トップからはこうした日本仕様による予約件数の押し上げ効果を指摘する声が上がった。特に新色のジェットブラックは人気で在庫不足の懸念も聞かれた。

 NTTドコモは有楽町の「ドコモラウンジ」でセレモニーを開催。吉沢和弘社長は「予約件数は過去最高。特にジェットブラックは人気が高く入荷が遅れる可能性もある」と強調した。新宿の「auSHINJUKU」でセレモニーを開いたKDDIの田中孝司社長(写真、中央左)も「予約件数はアイフォーン6の発売時より多く過去最高ではないか」と興奮を隠さなかった。ソフトバンクは神宮前の「ソフトバンク表参道」でセレモニーを行った。

日刊工業新聞2016年9月19日


COMMENT

明豊
デジタルメディア局
局長

対応機の普及は多少進むかもしれないが、決済革命を主導するのはハードウエアメーカーではない。ATMでは世界2位の米ディーボルトが同3位の独ウィンコール・ニックスドルフを買収。NCRを抜き世界シェア首位に浮上する。東芝はIBMからPOS事業を買収したが見事にうまく言っていない。レジでは人手不足により流通各社でセミセルフの導入が拡大しているが、主導権はあくまで流通側。このままいけば大手のチェーンやメガIT企業の下請け情報収集屋になってしまう。

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