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職場からデータ入力という作業が無くなる日。自動処理、OCR、AIで変わる働き方

AI insideマーケ、手書き文字認識で名刺・領収書対応−AIで精度98%
 AI insideマーケティング(東京都新宿区、永田純一郎社長、03・5908・1415)は、人工知能(AI)を使って手書きの文字を読み取るシステム「AI inside(インサイド)」の用途と販路を拡大する。形式が決まっていない名刺や領収書、注文書に対応するほか、2次代理店網を構築してユーザーを開拓する。2020年12月期に売上高100億円を目指す。

 AIインサイドは画像認識技術を持つAI inside(東京都渋谷区)が開発した。光学式文字読み取り装置(OCR)とAIを組み合わせ、アンケート用紙や伝票など入力項目が決まった書類に書かれた手書きの日本語の文字を98%の精度で読み取る。

 ユーザー企業は、手書きの文書をパソコンに取り込みクラウドコンピューティングを通じてサーバーに送る。すると翌朝にエクセルファイルでデジタル化したデータが戻ってくる仕組み。価格は1書式当たりの初期投資が30万円、月使用料が3万円から。AIマーケがシステムの代理店となり用途開発や販売を担っている。

 今秋をめどに名刺や注文書、請求書など取引先ごとにバラバラな大きさや体裁の文書の手書き文字を読み取れるようにする。総務や会計業務の効率化に貢献できる。自治体ごとに違う住民票の読み取りにも対応する。

 画像認識技術を生かし、監視カメラ画像の異常認識など別用途への展開も狙う。代理店は、コンサルティング、システム系、ビジネス受託といった企業を対象に2次代理店を広げて全国をカバーできるようにしていく。

日刊工業新聞2016年2016年9月16日



日本IBM、サントリービジネスの経理業務を自動化−支払伝票の入力など


 日本IBMはサントリービジネスエキスパート(東京都港区)の経理業務に対し、新たに「ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)」と呼ぶ自動処理を適用した。これまで支払伝票の入力や承認、全件精査業務をビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)として請け負っており、新たにRPAを適用することで、入力作業の省力化や品質向上で大幅な業務効率化を目指す。これに伴い、新たにBPOサービスで5年間の契約を締結した。

 新たなBPOサービスは光学式文字読み取り装置(OCR)による自動認識や現行業務との連携を支援するIBMのロボティクスを適用する。1カ月当たり約5万件の支払伝票を手入力に代えて、自動処理を採用する。まずは主要な4種の伝票で従来比約20%の業務効率化を実現。今後は対象を広げ、同50%を超の効率化を目指す。

 サントリービジネスエキスパートはサントリーグループの各事業会社に共通する業務・機能を集約し効率化している。経理業務は日本IBMのBPOを活用してきたが、グローバル展開や経営スピードを上げるため、RPAによる自動化技術の採用を決めた。

日刊工業新聞2016年9月13日

日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
マスコミ業界でも一昔前からOCRなどが導入されてきましたが、読み取りの精度が難点で、人手による作業がかなり必要でした。これに機械学習やAIが加わることで、数年内にはOCRの認識精度が限りなく100%に近づくのではないでしょうか。これにより人の仕事が奪われるというのは見当違いで、単純作業から人間が解放されることにより、忙しくて今まで手が回らなかった重要な仕事がこなせるようになると思います。

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