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「早期に日販60万円に」 ファミマ・サークルKが来年2月までに商品統合

伊藤忠OBコンビが「稼ぐ力」引き上へ、店舗・商品改革に踏み込む
 ファミリーマートは、2017年2月までに商品(イメージ)をサークルKサンクス(CKS)と統合する。ファミマは1日にCKS親会社のユニーグループ・ホールディングス(HD)と経営統合し、遅くても19年2月末にはコンビニエンスストアのブランドも「ファミリーマート」に統合する予定だ。

 店舗当たりの1日の売上高を示す日販は、ファミマとCKSで約10万円の差がある。ファミマの商品をCKSに投入し、テコ入れする。

 16年中に調理済み食品の中食を除き、商品群をファミマに統合する。一部の中食やファミマのプライベートブランド「ファミリーマートコレクション」は9月から、淹れ立てコーヒーやおでんなどは11月から、順次CKSでも販売する。

 ファミマは7月末時点で1万1872店舗を運営している。エーエム・ピーエムやココストアと同様に、サークルKサンクスの店舗もファミマにブランド転換する予定で、店舗数は最大手のセブン―イレブンと肩を並べる。

 規模を追う背景には、商品生産や物流の効率化で、商品力や価格競争力を上げられるメリットがある。店舗数の拡大を図るにあたり、ファミマは加盟店を運営するオーナーを獲得するため、シニアや単身者も加盟できるよう、制度を見直した。

 一方で店舗の「稼ぐ力」にはまだ弱さがある。店舗の1日当たりの売り上げを示す全店平均日販は、16年3―5月期にセブン―イレブンが64万円だったのに対し、ファミマが51万円、サークルKサンクスが42万円と大きな差がついている。

 商品力を上げるためには、ベンダーを巻き込んだ商品開発が欠かせない。規模が拡大すれば、発言力も増す。日販を「できるだけ早く60万円に引き上げる」(中山勇ファミマ会長)。
日刊工業新聞2016年9月14日の記事に加筆
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
9月からファミマは中山氏が社長から会長に。社長には中山氏と伊藤忠の同期で同じアメフト部で気心の知れた沢田貴司氏を招いた。沢田氏は伊藤忠商事からファーストリテイリングに転じて副社長まで務めた後、企業再生を手がけるリヴァンプを立ち上げた。三菱商事がローソンを子会社化するが、伊藤忠が今後、どのように関与していくのか注目。

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