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ウイルスが99.9%以上減少できる空調フィルター用不織布

倉敷繊維加工が開発。まず自動車用向けなどに販売
 倉敷繊維加工(大阪市中央区、青山克己社長)は、抗ウイルス加工を施したフィルター用不織布「クランセール=写真」を開発、10月1日に発売する。不織布に付着したウイルス表面のエンベローブ(脂質二重膜)を破壊することで、ウイルスを99・9%以上減少できるという。自動車用空調フィルターなど向けに、初年度1億円、2018年度は5億円の売上高を目指す。早島工場(岡山県早島町)で製造する。

 クランセールは抗ウイルス性の薬剤加工を施し、繊維評価技術協議会が繊維の機能加工や素材の性能、安全性を認証する「SEK抗ウイルス加工マーク」の認証も取得した。同マークは国際規格を満たしており、中国や東南アジア諸国連合(ASEAN)などの海外市場への拡販にもつなげる。

 自動車用以外にはビルや工場、家電向けの空調フィルターへの採用を見込む。さらに同社はエンベロープを持たないウイルスにも対応できる不織布を開発することも検討している。
日刊工業新聞2016年9月13日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
ここ数年の不織布需要は自動車向け空調フィルターがけん引し、さらに花粉除去や脱臭といったさまざまな機能を複数足し合わせたコンビタイプがメーンになりつつある。

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