割り方によって味が変わる板チョコ、伝統製法の生醤油。共通するのは?
チョコレート大手の明治、しょうゆ大手のキッコーマン食品(東京都港区、堀切功章社長、03・5521・5122)が、モノづくり技術をアピールする新商品を相次いで投入する。明治は割り方によって味が変わる板チョコ「明治 ザ・チョコレート」を27日に発売。キッコーマン食品は伝統製法で生産する「しぼりたて生醤油(なましょうゆ) 御用蔵生(ごようぐらなま)」の予約受け付けを始めた。国内の価格競争や低価格志向が強まる中、技術力を押し出し差別化するだけでなく、モノづくり技能を伝承する狙いもある。
明治のチョコレートは「“五感で楽しむチョコ”を目標に開発」(明治)した。通常の商品はミニブロック型やスティック型のように、形状が決まっている。ザ・チョコレートは1枚に、これらの形状をゾーン別に配置し、食べる場所により味が変わるよう工夫。
ミニブロック型の部分は軽い口当たり、スティック型は力強い味わい、ギザギザ型の加工を施した部分は香りがひきたつという。原材料のカカオは、それぞれコク深さや香りが特徴のベネズエラ産やブラジルのトメアスー産などを使用。製法もベネズエラ産は高温深煎(い)りロースト製法、ブラジル産は低温浅煎りロースト製法を採用。カカオ豆のこだわりを発信し、「大人向けの商品として拡販」(同社)する。
一方、キッコーマン食品の生しょうゆは、千葉県野田市にある御用蔵醤油醸造所で1万5000本の数量限定で生産する。システムで温度を制御するオートメーションの工場で生産する通常のしょうゆに対して、御用蔵醸造所は基本的に技能者による温度管理。容器も杉おけで生産する。
原料の大豆、小麦、食塩はすべて国産、通常のしょうゆがしょうゆこうじに食塩水を合わせて“もろみ”にするのに対し、御用蔵で1年かけて発酵・熟成させた生のしょうゆで仕込み、2段熟成を行う。豊かなうまみ、深みのあるコクが生まれるという。
明治のチョコは50グラム入りで、消費税抜きの価格はアイテムにより220―230円。キッコーマン食品のしょうゆは通信販売限定で予約を受け付け、12月上旬に発送する。450ミリリットル入り1本の消費税込みの価格は1852円。いずれも一般の商品と比べ高価格だ。
伝統製法で高付加価値商品を生産する理由について、キッコーマンは「技能の伝承」を挙げる。センサーやオートメーションを使わず、あえて旧式の人手に頼る製法でつくることで、「原料や温度による違いを会得させる」狙いがある。
明治の商品はベルギーで6月に開かれた国際味覚審査機構の国際コンクールで「二つ星賞」を受賞した。チョコの本場のコンクールで受賞したことなどにより、品質の高さや製法へのこだわりをアピールしていく。
(文=編集委員・嶋田歩)
“五感で楽しむチョコ”
明治のチョコレートは「“五感で楽しむチョコ”を目標に開発」(明治)した。通常の商品はミニブロック型やスティック型のように、形状が決まっている。ザ・チョコレートは1枚に、これらの形状をゾーン別に配置し、食べる場所により味が変わるよう工夫。
ミニブロック型の部分は軽い口当たり、スティック型は力強い味わい、ギザギザ型の加工を施した部分は香りがひきたつという。原材料のカカオは、それぞれコク深さや香りが特徴のベネズエラ産やブラジルのトメアスー産などを使用。製法もベネズエラ産は高温深煎(い)りロースト製法、ブラジル産は低温浅煎りロースト製法を採用。カカオ豆のこだわりを発信し、「大人向けの商品として拡販」(同社)する。
1本1852円、限定しょうゆ
一方、キッコーマン食品の生しょうゆは、千葉県野田市にある御用蔵醤油醸造所で1万5000本の数量限定で生産する。システムで温度を制御するオートメーションの工場で生産する通常のしょうゆに対して、御用蔵醸造所は基本的に技能者による温度管理。容器も杉おけで生産する。
原料の大豆、小麦、食塩はすべて国産、通常のしょうゆがしょうゆこうじに食塩水を合わせて“もろみ”にするのに対し、御用蔵で1年かけて発酵・熟成させた生のしょうゆで仕込み、2段熟成を行う。豊かなうまみ、深みのあるコクが生まれるという。
明治のチョコは50グラム入りで、消費税抜きの価格はアイテムにより220―230円。キッコーマン食品のしょうゆは通信販売限定で予約を受け付け、12月上旬に発送する。450ミリリットル入り1本の消費税込みの価格は1852円。いずれも一般の商品と比べ高価格だ。
伝統製法で高付加価値商品を生産する理由について、キッコーマンは「技能の伝承」を挙げる。センサーやオートメーションを使わず、あえて旧式の人手に頼る製法でつくることで、「原料や温度による違いを会得させる」狙いがある。
明治の商品はベルギーで6月に開かれた国際味覚審査機構の国際コンクールで「二つ星賞」を受賞した。チョコの本場のコンクールで受賞したことなどにより、品質の高さや製法へのこだわりをアピールしていく。
(文=編集委員・嶋田歩)
日刊工業新聞2016年9月16日