ニュースイッチ

業界初、敷きパッド自体がダニ防ぐ!

アース製薬と吉田房織物が開発
業界初、敷きパッド自体がダニ防ぐ!

防ダニ不織布を内蔵した寝具用敷きパッドと枕カバー

 アース製薬は吉田房織物(大阪府泉大津市、吉田房喜社長)と共同で、2017年春に防虫機能を持たせた寝具製品を発売する。寝具業界で初めて、ダニを寄せ付けない敷きパッドを開発した。海外渡航の増加や建物の機密性向上などを背景に、ダニの発生も増加傾向にある。防虫意識の高まりを追い風に、家庭や宿泊施設向けに拡販する。20年12月期に、約50億円の事業規模を目指す。

 アース製薬が吉田房織物と共同開発した防虫寝具は「ダニnot(ノット)」。製造工程で、内蔵する不織布に防ダニ剤を固着した。使用した防虫剤はピレスロイド系。ダニが接触すると刺激を感じてその場から逃げるため、敷きパッドにダニを寄せ付けない。肌に触れても安全性が高く、乳幼児も使用できる。

 価格は1枚当たり3000―1万円程度を想定する。敷きパッドのほか、枕カバーやキルトケットも同時に発売する。17年の販売目標(消費者購入金額ベース)は、約10億円を見込む。

 既に大手寝具問屋数社と展開を決定しており、ホームセンター、量販店、百貨店などで販売する。春夏製品として、ダニの活動が活発化する梅雨の時期の需要を取り込む。

 また、ホテルチェーンへの拡販も視野に入れる。20年の東京五輪・パラリンピック開催や訪日外国人観光客の増加に伴い、宿泊施設で害虫対策の需要が高まっている。販売数量が多い業務用として、市場を開拓する。今後は、クッションカバーなどインテリア製品の開発も検討しており、ラインアップを拡充する計画だ。

 ダニの本体や死骸は、アレルギーやぜんそくなどを引き起こす原因になる。一般的に長年使用するベッドや布団には、数万―数十万匹のダニが存在すると言われている。
日刊工業新聞2016年9月13日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
最近ではふとん用のクリーナーなども発売されていますが、ダニをそもそも寄せ付けないとなると手間もかからず大量のベッドがある宿泊施設では喜ばれそうです。

編集部のおすすめ