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もうすぐ鍋の季節、というわけでもないでしょうが…

中国地方の豆腐メーカーが生産増強、関西圏強化し、首都圏攻略の足がかりに
もうすぐ鍋の季節、というわけでもないでしょうが…

豆腐などを生産するやまみの本社工場

 やまみは、豆腐製品を手がける関西工場(滋賀県甲賀市)と本社工場(広島県三原市)にそれぞれラインを新設するなど生産体制を増強する。投資額は2工場合わせて約22億円。市場規模が大きい関西、東海圏の需要を取り込みながら、将来の首都圏進出を見据えた布石にする考え。

 やまみは豆腐を軸に油揚げ、厚揚げ、おからなどの製品が主力。これまで地元の中四国が主な商圏だったが、関西圏進出を狙って2012年、甲賀市内に工場を設置した。

 今回は10月をめどに稼働させる関西工場に厚揚げラインを増設する。絹豆腐の自動化ラインも今夏導入した。100メートル規模の大型ラインで、同工場では1日当たり最大100万個の生産が可能となる。

 一方、本社工場でも絹豆腐のラインやおからの製造設備を新たに設けたほか、木綿豆腐ラインも刷新した。

 現在、豆腐生産は本社工場が同社全体の約75%、関西工場は約25%の比率。ただ今後の関西圏での販促強化をにらみ、関西工場では16年6月期までに水処理設備を整備してきたこともあり、徐々に関西での生産比率が高まりそうだ。

 関西工場は東海から関西までのエリアで豆腐製品を供給する。まず関西での基盤を固めた上で、首都圏進出への足掛かりにする。

 やまみの16年6月期連結売上高は前期比4・4%増の94億円。19年6月期売上高は130億円を見込んでいる。
日刊工業新聞社2016年9月8日 総合面
尾本憲由
尾本憲由 Omoto Noriyoshi 大阪支社編集局経済部
全国豆腐連合会によると、半世紀以上前は全国で5万件を数えた豆腐製造業者も、今では8000程度(2013年)にすぎない。もっとも豆腐の消費量はそれほど落ちてはいないようだ。鍋、冷や奴、炒め物、揚げ物、みそ汁、サラダ等々、確かにしょっちゅう食べている。手作りのイメージが強い豆腐も、実際には大規模化が進んでおり、結構本格的な工場で生産されている。

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