日本で国際送金の革命を起こせるか。英の有力フィンテックベンチャーが本格参入

トランスファーワイズ、既存銀行と比べ手数料3分の1で海外送金

  • 0
  • 2
トランスファーワイズの公式ページより
 英国のフィンテックベンチャーで有名なトランスファーワイズが7日、日本国内で海外送金サービスを本格的に開始した。手数料は原則として送金額の1%で、一般的な銀行と比べ平均で3分の1に抑えた。

 双方向でデータ交換する「ピア・ツー・ピア」と呼ぶ仕組みを活用。日本から海外への送金と海外から日本への送金に関するデータをつきあわせて相殺し、国境をまたぐお金の移動を実質不要としたのが特徴。円と外国通貨を両替する手間を省き、安価な手数料を実現した。今年2月に日本から海外に向けた送金サービスを英語で提供を始め、今回、正式に日本語でのサービスをスタートさせた。

 日本から米国に現地通貨(米ドル)で送金したい人と、米国から日本に現地通貨(日本円)で送金したい人をマッチング。それぞれから各国内に設けた同社の口座で資金を受け取り、ユーザーの希望する送金先に国内送金する。資金が国境を越えることはなく、国内送金によって国際送金需要を回す仕組み。

 日本のユーザーはトランスファーワイズに口座を開設、本人確認などの認証作業が完了すると、スマートフォンのアプリなどで送金指示を出せるようになる。送金指示を出した後は、同社名義の日本の銀行口座に指定金額を振り込む。三菱東京UFJ銀行と契約しており、今後は静岡銀行も追加予定という。

 現在、利用者数は全世界で100万人を超え、月間の取扱送金額は今年9月時点で約1100億円に上るという。1件当たりの送金額は20ー30万円規模が主流。38の通貨を扱い、55カ国への送金が可能。

 海外送金は手続きが面倒で手間も時間もかかる。さらに手数料も安くはない。マネーロンダリングといった犯罪などの対策も必要で、送金先を事前登録したり、送金先の国によっては何度も銀行とやりとりしないといけない。日本市場で国際送金サービスにイノベーションを起こせるのか、注目される。

 トランスファーワイズはフィンテック企業の中でも象徴的な存在。2011年に2人のエストニア人によって英国で設立。同社にはピーター・ティール、リチャード・ブランソン、アンドリーセン・ホロウィッツら世界でも名だたる投資家が出資した。推定企業評価額が10億ドルを超えるスタートアップ「ユニコーン企業」でもある。

 


 

COMMENT

安東泰志
ニューホライズンキャピタル
会長

大企業は、以前から、CMSを構築して海外現法と本社の間の送金や外貨ポジション調整を最小化すると共に資金調達と運用を効率化してきた。また一部銀行も同様のサービスを提供している。しかし中堅中小企業は、コスト面でなかなか難しい面があった。この分野にフィンテックから新規参入が増えるのは大歓迎。

関連する記事はこちら

特集