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ワンマン実権者が逮捕で倒産。「ハコ上場企業」の実態を学ぶ典型的な教材に

石山HG、監査法人も処分
 石山Gateway Holdings(石山GH)は、1982年12月に設立。当初は半導体製造装置向けのセンサー販売を手がけていたが、海外企業の日本総代理権を得て、定測定装置などの販売も加わって業容を拡大。2001年にナスダック・ジャパン(現ジャスダック)に株式上場した。

 03年には持ち株会社とするホールディングカンパニー制に移行したが、業績不振が続き13年以降はトラベル、不動産などのノウハウを持たない新規事業に相次いで参入。14年6月期の売上高は前期比約3倍の30億8100万円に急増した。

 だが、14年10月に有価証券報告書の虚偽記載の疑いで、証券取引等監視委員会が強制調査に入り事態が急変する。当社は13年11月に「新たに開始したバイオディーゼル発電機の販売設置事業において、当初予想で見込んでいなかったおよそ9億円が売り上げ計上される見込み」として、14年6月期の連結売上高予想を従来比52%増の45億8800万円に上方修正した。これが架空計上だった。

 さらに15年5月には代表の三木隆一氏が金融商品取引法違反(偽計)容疑で逮捕された。三木氏は、売り上げ架空計上による株価操作や補助金詐取を企てていた。こうした不祥事から、8月1日付で株式上場を廃止。11月以降、事業停止状態が続いていたが今年7月1日に自己破産を申請し、同7日に破産手続き開始決定を受けた。

 一方で14年11月まで当社と会計監査契約を結んでいた東京中央監査法人が、14年5月に金融庁より業務改善命令および1年間の業務の一部の停止命令の処分を受け、その後、解散に追い込まれた。ノウハウを持たない事業の拡大、ワンマン実権者の逮捕。監査法人が処分を受けるというハコ上場企業の実態を学ぶうえで典型的な教材がそろった事例だった。
(文=帝国データバンク情報部)
石山Gateway Holdings(株)
住所:東京都港区新橋4―30―6
代表:長谷川 隆
資本金:14億8731万2162円
年売上高:4億720万円(2014年6月期)
負債:1億5671万円
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
改めて監査法人の不信が問われた事例。事業と関連の無い人物が経営に関与する時は疑うべし。

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