日本の「インダストリー4・0狂想曲」 本家欧州の認知度は意外と低い

ドイツ・ハノーバーメッセに多くの日本人が押しかけた不思議

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4月に開催されたハノーバーメッセのシーメンスブース
 ▼欧米先進国に学ぼうという姿勢は日本人の国民性か、それとも自信のなさの表れか。最近、話題沸騰のドイツの国家戦略「インダストリー4・0」の話だ。

 ▼旧知の電機メーカー幹部は、4月にドイツで開いた国際産業技術見本市「ハノーバーメッセ」から帰国して、がくぜんとしたという。現地の雰囲気と日本の過熱報道の落差が、あまりにも大きかったからだ。
 
 ▼この幹部は「ドイツ企業から『なぜ日本からの見学者が急増しているのか』と不思議がられた」と話す。調査によれば欧州産業界ですらインダストリー4・0の認知度は50%に届かない。皮肉なようだが日本の方がずっと知られている。

 ▼先進のドイツと後進の日本−。コントラストを強調しがちな報道も原因のひとつかもしれない。インダストリー4・0が目指す“つながる社会”において、日本はドイツに勝るとも劣らない。自動車業界の系列は、生産・物流・販売の全体最適化をすでに実現していると言えないか。

 ▼行きすぎたナショナリズムのように、日本のモノづくりが自尊心に縛られ、国際的に孤立するようでは困る。だから産業界がインダストリー4・0を警鐘として受け止めることは重要だ。しかし日本流は常に欧米に及ばないという“自虐的モノづくり観”があるとすれば、そこに危うさを感じる。

日刊工業新聞2015年05月13日 1面

COMMENT

明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

ドイツの「インダストリー4・0」関連の企業を回るツアーがいろいろなところが企画しているが、満員御礼という。メディアとして何が本当なのか、何が起こっているのか、うわべだけでなく、報道していかないと。

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