パナソニックが供給する世界に一つだけの車載部品

ECUに必須のノイズ対策、チョークコイルとコンデンサーの両方を供給

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パワーチョークコイルと導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサー
 パナソニックの車載事業はリチウムイオン電池やカーナビゲーションシステムが目立つが、シェアトップのデバイスも数多い。自動車業界は単品納入では無く、部品を複数組み合わせたモジュール(複合部品)での供給が昨今のトレンドで、車載事業はモジュール提案、システム提案を推進中。このほど車載ECU(電子制御ユニット)回路設計者の負担を軽減するソリューション提案を始めた。

 燃費・環境規制対応や安全性向上に向け、自動車は電子制御化、電動化が加速する。ECUの搭載数は増加傾向で、現状は1台約50個にのぼる。搭載場所も変化が見られ、シンプルなクルマ作りや軽量化などを目的に車内配線を減らすため、エンジンルームへ移りつつある。このため回路設計は複雑化し高度なノイズ対策も求められ、設計者の負担は増している。

 パナソニックは車載ECUに必須のノイズ対策品の、チョークコイルとコンデンサーの両方を供給する唯一のメーカー。それぞれ大電流対応と小型化、大容量化を大幅に進めた新製品を5月末に発表。

 また、同時期に両方手がける強みを生かして回路設計を大幅短縮できるウェブツールを公開した。登録制のシミュレーションサイトで、回路条件と構成部品を選択すると周波数別減衰量などを数値とグラフで表示し、最適な両デバイスの組み合わせが分かる仕組み。

 ECUの回路設計では、ノイズ対策品の設計工程は最終段階に近く、設計者負担も大きい。従来は顧客側が部品を個別に手配してシミュレーションし、その後の試作評価、設計検証でおよそ30日かかっていた。

 ウェブツール利用で時間のかかる部品手配と試作評価を省略し、約7日に短縮できる。「効率よく最適部品を選定できる」と顧客評価は高く、短期間で登録者が伸びている。

 「従来は単品販売中心だったが、付加価値をつけた複合提案で事業を広げる」(大西一彰但馬工場技術部長)。生産増強も計画中で、ECU向け両部品合計売上高は現状数十億円規模だが2018年度に200億円を狙う。
(文=大阪・松中康雄)

日刊工業新聞2016年9月2日

COMMENT

明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

自分がパナソニックの津賀社長に最初に個別インタビューしたのは今から6年前。まだ津賀さんがオートモーティブシステムズ社の社長の時。テーマは「クルマの電子化を考える」というものだった。もともとAV機器の研究やエンジニアだった津賀さんだが、自動車関連の見識の深さに驚いたのを覚えている。 ソフトの標準化が進むと、ECUのハードとソフトの供給先が分離する可能性もあるのでは?という質問に「ソフトの作り方は自動車メーカーごとの自己流があり、そうはならない。非共通部分がなくなると、参入障壁が下がり中国メーカーなどが入ってくる。パナソニックも汗を流してメーカーごとにすり合わせていく」と応えてくれた。

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