ニコンのデジタル一眼レフカメラは、どこまで軽くなるのか!?現在「420グラム」

モノコック構造と炭素繊維を組み合わせ、デザインの自由度も高める

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モノコック構造を採用した最新機種の「D5500」
 行楽のお供にデジタルカメラを持って行くという人は多いだろう。一眼レフカメラは本格的な写真が撮れる一方、コンパクトデジカメと比べ大きくて重いのが一般的。持ち運ぶものだけに、小型・軽量のニーズは多い。そこでニコンは「モノコック構造」に着目した。点が特徴だ。自動車や飛行機などに採用されているが、一眼レフカメラで利用される例はなかったという。

 落下や衝撃に耐えるため、デジカメには一定の丈夫さが求められる。従来は強度維持のため、マグネシウム合金のフレームを使っていた。しかし小型・軽量化の検証でプロ向けのカメラ「D700」を分解した所、シャシー構造が最も重いことが分かった。山本哲也執行役員映像事業部開発統括部長は「それこそが重さやデザイン性を制限する最大の要因だった」と振り返る。そこでシャシーを省けるモノコック構造に着目した。

 プロ向けのカメラは多少重くても強度が最も重視される。そこで、まずは一般ユーザー向けをターゲットとして、2008年頃から開発に着手した。強度を出すために、素材に炭素繊維を採用。樹脂と混ぜて熱を加え、型で固める射出成形で作り上げるが「これが難しかった」(山本執行役員)。何度も樹脂と炭素繊維の配合比率や熱の加え方、部材の置き方などを調整。最適な条件を見つけ出し、本体やカバーなどに採用した。

 こうしてできた最初の製品、13年発売の「D5300」の重さは、従来品よりも30グラム程度軽い480グラム。その後も改良を進め、2月に発売した「D5500」は、420グラムまで軽くなった。落下試験など綿密な検証で、強度もお墨付きだ。

 モノコック構造を採用したカメラは計4機種。上位機種など、今後も同構造の適用範囲を広げていく方針だ。また小型・軽量だけでなく「デザインの自由度が増すことで、バッテリーを大きくするなどの性能アップにも使える」(同)。モノコック構造を進化させ、魅力的な製品につなげる。
(日刊工業新聞2015年05月12日 モノづくり面)

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 ニコンは7日、デジタル一眼レフカメラの入門機種の新製品「D3300」を2月に発売すると発表した。炭素繊維を使った新素材によるモノコック構造を採用し小型・軽量化。ボディー重量は既存の入門機種「D3200」と比べ45グラム軽い410グラムを実現。同社の一眼レフカメラ向けレンズとしては初の「沈胴機構」を採用した小型ズームレンズと合わせて提案する。オープンだが、価格はレンズキットで約7万5000円になる見込み。当初月産は約12万台。

 D3300は有効画素数2416万画素で、新画像処理エンジン「エクスピード4」を搭載する。意図した写真を撮れるよう支援する「ガイドモード」機能も備える。携帯性の良さと使いやすさをアピールし、子育て中の母親などの入門者ニーズを取り込む。
(日刊工業新聞2014年01月08日 電機・電子部品・情報・通信面)

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 帝人の熱可塑性樹脂を使用した炭素繊維複合材料(CFRTP)「セリーボ」がニコンのデジタル一眼レフカメラ「D5300」に採用された。セリーボは強度特性に優れるほか、高い導電性を備える。従来、カメラの構造部材には強度確保を狙いに金属素材が使用されることが多かった。軽量化のためにプラスチックを使用する場合、強度不足を補うため短い繊維長の炭素繊維で補強することがあるものの、繊維長が短いことにより炭素繊維が本来持つ特徴を発揮できない課題があった。

日刊工業新聞2013年10月29日 素材・環境・医療機器・医薬面

COMMENT

明豊
執行役員デジタルメディア局長 DX担当

カメラに特にこだわりがある人間ではないが、持ってみて多少の重量感も必要だろう。人ぞれぞれによってその感覚が違うだろうが、「ちょうどいい重さ」というのはどの程度なのか。

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