買わなくても屋根に太陽光発電。売電収入も

ONEエネルギーとタマホームが太陽光のリース

日本発の太陽光リース開始
 ONEエネルギー(東京都港区、小島一雄社長、03・6406・4306)がタマホームと組んで1月から始めた太陽光発電システムのリースが好スタートを切った。投資負担を感じずに太陽光発電の売電収入を得られる仕組みが受け入れられ、利用希望者が殺到している。業界初のリースは太陽光発電市場に吹きつつある需要後退の逆風をはねのけられるのか、注目される。

 タマホームが販売契約した住宅の太陽光発電システムの搭載率が急上昇している。2014年12月までは25-30%だったが15年1月から10ポイント以上アップして推移している。搭載率を押し上げているのが太陽光発電のリースだ。

 ONEエネはオリックス、NEC、エプコの3社が13年に共同出資で設立。蓄電池レンタルの専業だったが、太陽光発電のリースにも乗りだした。オリックスの宮津正治環境エネルギー部長は「太陽光発電を『買う』枠から外した」とリースの効果を語る。

 太陽光発電の購入には200万円程度かかる。それがタマホームの住宅購入者はONEエネのリースを利用すると初期費用5万円(蓄電池レンタル込み)で住宅に搭載できる。毎月利用料を支払うが、余剰電力の売電収入と電気代の削減効果が支出を上回る。
 例えば太陽光の出力が約5キロワットだと年17万円(太陽光と蓄電池の合計)の利用料が必要。想定される余剰電力の売電収入、電気代の削減効果で、合計で年4万円以上の経済効果が生まれる計算だ。

 リース期間は15年。余剰電力を売電できる期間は10年なので、11年目以降は支払いが増えそうだが「10年後は電気代の支払いをなくしたい」(オリックス蓄電池事業部の堀内拓也チーム長)。
 リース利用者には蓄電池もレンタルされるので太陽光の電力を充電して自宅の電力を賄える。蓄電池をフル活用し、太陽光が発電した電力をより多く自宅で使うことで電力会社からの電力購入を抑えると電気代を大きく減らせる。

 充電容量によるが蓄電池は太陽光1台並みの購入費用になる。タマホームの住宅購入者ではほとんど蓄電池の設置がなかったという。それが太陽光リースとのセットで蓄電池の需要にも火がついた。太陽光リースと蓄電池レンタルを併用した住宅の契約として15年は2000-3000棟を見込む。タマホーム購買部の青木大介課長代理は「10年後、住宅はエネルギーの自給自足に向かっているだろう。先を見越して新しいエネルギーの使い方を提案する」と意気込む。

 余剰電力の買い取り価格が年々、低下している。14年度からは太陽光の設置に補助金もなくなっており、太陽光の販売環境は厳しくなっている。オリックスグループは屋根を借りて太陽光発電を設置する「屋根借り方式」でも業界で先鞭(せんべん)を付けた実績がある。リースは10年先も見すえており、太陽光の新しい普及手法として定着してもおかしくない。

2015年05月13日 建設・エネルギー・生活掲載記事に加筆

COMMENT

松木喬
編集局第二産業部
編集委員

初期費用の負担をほぼなくしただけでなく、10年先も見越している。メガソーラーの電力を電力会社に売電できる期間は20年。住宅の屋根太陽光発電システムは10年(10kw以下)。10年後、屋根で発電した電力を電力会社が継続して買い取ってくれるかは、現在のところは不明。売るよりも自宅で使う自家消費が増え、電力代の支払いを極力なくす家庭が増えるかもしれません。

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