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『シン・ゴジラ』にみる日本の技術力。「この国はまだまだやれる」のか?

 リオデジャネイロ五輪閉会式で安倍晋三首相が、ゲームの人気キャラクターに扮(ふん)して次の東京大会をPRした姿が話題を呼んだ。わが国が生んだ映画やゲームの力を、あらためて感じた。

 日本を代表するキャラクターのひとつに『ゴジラ』がある。1954年(昭29)公開の映画は、核の惨禍を訴えた作品として知られる。影響を受けたと公言する海外の映画人も多く、これまで日米合わせて30本以上が製作された。

 その最新作『シン・ゴジラ』が快進撃を続けている。7月末の劇場公開から1カ月余りで興行収入53億円を突破し、邦画の歴代ランキングでは30位が見えてきた。ちなみに1位はアニメ作品『千と千尋の神隠し』の304億円。

 『シン・ゴジラ』では日本のモノづくりが大きな役割を果たす。SF的な秘密兵器ではなく、医薬や化学、特殊車両、鉄道などの技術力を総動員。劇中で主人公の一人が口にした「この国はまだまだやれる」のセリフに、胸が熱くなった。

 2020年の東京五輪は、日本が誇るテクノロジーやキャラクター、コンテンツをPRする場にもなるだろう。今後4年間はその制作期間といえる。「日本は、もっとやれる」ことを国民が再確認し、世界を驚かす場にしたい。
日刊工業新聞2016年9月2日 総合1面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
作中では、縦割り組織での対応の遅さが強調され、各分野のスペシャリストが集まったプロジェクトチームがスピード感を持って問題を解決していました。教訓に満ちた作品です。

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