ニュースイッチ

融資先支援の一助になるか?金融機関に設備投資に関する補助金情報

エフアンドエム、情報提供サービス開始
 エフアンドエムは今秋にも、金融機関向けに中小企業の設備投資に関する補助金情報提供サービスを始める。経済産業省や各中小企業振興公社などの補助金や予算の最新情報、補助金申請時の勘所を伝え、融資先を支援する銀行や信用金庫の業務をサポートする。今後、サービス内容や料金など詳細を詰める。2017年3月までに30行への採用を狙う。

 エフアンドエムは4月、中小製造業向け情報提供契約「補助金顧問サービス」を開始。機械メーカーや商社が顧客に紹介するなどして加入企業は6月末に318社まで伸びた。金融機関も融資先に同サービスを紹介しているが、自らも補助金情報を融資先の支援拡充に生かしたいとの要望が上がっていた。

 金融機関の規模や地域性で支援に係る課題は異なるため、個別対応する。これまでも、ものづくり補助金の申請などで30行以上と提携しており、新サービスで関係を深める。

 補助金顧問は、加入企業の中長期の設備投資計画を聴取し、条件に合った補助金の動向や申請要件と受給可能性を適時報告するサービス。消費税抜き価格は年6万円。7月施行の中小企業等経営強化法に定められた「経営力向上計画」の策定支援も標準サービスに加える。これにより17年3月までに加入企業1000件達成を目指す。
日刊工業新聞2016年8月31日金融面
神崎明子
神崎明子 Kanzaki Akiko 東京支社 編集委員
昨今の中小企業政策では、地元企業との接点が深い金融機関の力を活用することが重視されています。国は相談拠点の整備やインターネットを駆使して施策情報を発信していますが、忙しい経営者にはなかなか浸透しないためです。新たに始まるサービスは、施策をもっと活用してもらいたい国や自治体と、「コンサルティング機能の発揮」が求められる金融機関の橋渡しをするものといえます。

編集部のおすすめ