プリント基板も自分でつくる会社、ソディックがタイで積極投資

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タイ工場のPCB生産ライン
 ソディックは世界生産台数の4割を担うタイ工場に、立て続けに大型の生産設備を導入した。新設機で内製や自動化を進め、放電加工機などタイ生産機の競争力を一段と高める目的だ。同社は金属3Dプリンターを重点分野として伸ばす経営計画を策定したが、屋台骨は世界首位級の放電加工機。タイ製造の底上げを核に、2018年度に営業利益を90億円(16年度予想は53億円)に引き上げる。

 「ここまでする工作機械メーカーはそうないでしょう」―。ソディックのタイ現地法人の塚本英樹社長は表面実装機(マウンター)を前に胸を張る。電源装置などに組み込むプリント(PCB)基板を自社で製造している。タイでは日本と同じく放電加工機などに使うセラミックスまでも作る。同社の場合、内製は納期の圧縮や品質の確保などを意図し、競争力の源泉と言える。

 機械加工の内製は、このほど導入したオークマ製の5面加工機によるものが新しい。協力会社に委託してきた放電加工機の鋳物部品の加工を自社に取り込んだ。加工対象物(ワーク)を自動送搬出する自動パレット交換装置を備え、無人で長時間の連続加工ができる。

 さらに今夏、生産効率を高めるべく既存の工作機械を安田工業(岡山県里庄町)のジグボーラーに置き換えた。機械加工の精度を高め、後工程のキサゲの手間を減らすためだ。

 ソディックは板金加工でも自動化を進める考えだ。板金の溶接に続き、曲げ加工でロボットの活用を検討している。自動化は少子高齢問題に直面するタイ製造業の大きな流れ。急速な経済発展もあり、「工場の自動化で将来の人件費高騰に備えたい」(塚本社長)と早期に手を打つ。

 工作機械各社は円高進行や、けん引役だった先進国市場での需要の一服感に見舞われ、16年度業績の悪化を避けられない情勢だ。同社18年度計画の達成には原価低減をはじめ、タイ工場の果たすべき役割はこれまで以上に大きい。

日刊工業新聞2016年8月29日

COMMENT

六笠友和
編集局経済部
編集委員

ソディックはタイへの生産進出が1988年。今でこそ日系企業の進出が盛んですが、80年代後半に精度を売りにする工作機械メーカーがタイでモノづくりをするという決断は、衝撃でした。為替リスクを減らして米国向けの工作機械を作るのが目的だったそうです。タイ進出、文中の内製化など、とても独自色の強いオンリーワンの会社です。

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