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リクルートの中小向け融資に見る限界と可能性

来夏から事業開始。フィンテックで新たな審査手法も
 リクルートホールディングス(HD)は24日、2017年夏をめどに中小企業向け融資事業を始めると発表した。10月1日付で金融サービス推進室を新設し、具体的なサービスを検討する。同事業は成長投資意欲の高い中小企業の資金需要に応えることを目的として7月に設立した完全子会社、リクルートファイナンスパートナーズ(東京都中央区)が担当する。

 同事業の開始から3年間は検証期間と位置付け、融資とともに市場調査、データ収集をする。既存の金融機関やフィンテック(金融とITの融合)を手がける企業とも提携する。この一環として、8日にインフォマートと協業検討開始で基本合意した。

 リクルートHDは中小企業向け業務支援サービスを展開しており、融資事業についても可能性を探ってきた。保有データを活用してオンライン完結型の融資事業を構築し、審査などのプロセスを素早くできるようにする。また金融サービス推進室は個人向け金融サービスの拡充についても検討する。
日刊工業新聞2016年8月25日
安東泰志
安東泰志 Ando Yasushi ニューホライズンキャピタル 会長
一般事業会社が融資事業をやる場合、審査能力だけでなく、融資ポートフォリオの分散にも限界がある。しかし、フィンテックの活用による新たな審査手法であれば、小口無担保融資分野で活路はありそうだ。

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