日本に浸透し始めたターボプロップ機ATR42
天草エアラインに続き17年からJACも導入へ
天草エアラインが運航するたった1機の小型機、仏ATRのターボプロップ機ATR42-600型機が8月13日で受領1周年を迎えた。ATR機の導入が実現したのは、日本では同社が初めて。
仏トゥールーズで受領した機体は、2015年8月16日に日本へ向けて出発。途中バーレーンやバンコク、台北など7カ所を経由して、熊本へ21日に到着した。
熊本で訓練を実施後、地元の天草空港へは今年1月7日に到着。2月20日に就航した。現在は天草-福岡線を1日3往復、天草-熊本線と熊本-伊丹線を1日1往復ずつ運航している。
天草エアラインは2000年3月23日から今年2月19日までの約16年間に渡り、唯一の飛行機として、ボンバルディアQ100(DHC-8-103)型機「みぞか号」を運航してきた。
機齢が高くなった初代みぞか号の後継機として選定されたのがATR42で、座席数は初代より9席増えて48席となり、大型貨物室が機体前方に設けられたことから、乗客と乗員は機体後部ドアから乗り降りするようになった。
愛称は「かわいい」を意味する天草の方言「みぞか」が継承された。初代と同様、機体が親イルカの「みぞか」、左エンジンは「はるちゃん」、右は「かいくん」と名付けられた子供のイルカが描かれている。
ワインレッドの客室内装はイタリアのデザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロによる「ARMONIAデザイン」で、イタリア語で調和を意味する。座席数は1列4席で、手荷物収納棚が大きく、ターボプロップ機では客室がもっとも広い。
機体下部には熊本県の人気キャラクター「くまモン」がサンタクロースに扮した「モンタクロース」を描いた。
ATRはエアバスと伊アレニア・アエルマッキの共同事業体として、1981年に設立されたリージョナル機メーカー。日本の航空会社では当初、2013年12月に自己破産した地域航空会社リンク(福岡県福岡市)が、日本初のATR機としてATR 72-600(68席から74席)を3機リースで導入予定だった。
ATR42は天草エアラインに続き、日本航空(JAL)グループで鹿児島空港を拠点とする日本エアコミューター(JAC)が、2017年から導入する。8機を確定発注し、1機をオプション、14機の購入権付で契約している。
メーカーのATRは、鹿児島に開設したスペアパーツセンターを活用したMRO(整備・改修・オーバーホール)ビジネスの展開や、フライトシミュレーター設置にも意欲を見せている。
JACの同型機導入により、従来は全便運休していた重整備の際、機体の融通など柔軟に対応できる可能性が出てきた。また、JALは2015年4月から天草エアラインの全便を対象に、コードシェアを始めている。
九州内での同型機導入や大手のとのコードシェアは、地域航空会社の課題である経営の安定化に貢献していきそうだ。
運航スケジュール
天草-福岡
MZ101/JL3890 天草(07:55)→福岡(08:30)
MZ105/JL3894 天草(15:40)→福岡(16:15)
MZ107/JL3898 天草(18:05)→福岡(18:40)
MZ102/JL3891 福岡(09:05)→天草(09:40)
MZ106/JL3895 福岡(16:50)→天草(17:25)
MZ108/JL3899 福岡(19:15)→天草(19:50)
天草-熊本
MZ201/JL3872 天草(10:05)→熊本(10:25)
MZ202/JL3873 熊本(14:50)→天草(15:10)
熊本-伊丹
MZ801/JL3880 熊本(10:55)→伊丹(12:20)
MZ802/JL3881 伊丹(12:55)→熊本(14:20)>
仏トゥールーズで受領した機体は、2015年8月16日に日本へ向けて出発。途中バーレーンやバンコク、台北など7カ所を経由して、熊本へ21日に到着した。
熊本で訓練を実施後、地元の天草空港へは今年1月7日に到着。2月20日に就航した。現在は天草-福岡線を1日3往復、天草-熊本線と熊本-伊丹線を1日1往復ずつ運航している。
天草エアラインは2000年3月23日から今年2月19日までの約16年間に渡り、唯一の飛行機として、ボンバルディアQ100(DHC-8-103)型機「みぞか号」を運航してきた。
機齢が高くなった初代みぞか号の後継機として選定されたのがATR42で、座席数は初代より9席増えて48席となり、大型貨物室が機体前方に設けられたことから、乗客と乗員は機体後部ドアから乗り降りするようになった。
愛称は「かわいい」を意味する天草の方言「みぞか」が継承された。初代と同様、機体が親イルカの「みぞか」、左エンジンは「はるちゃん」、右は「かいくん」と名付けられた子供のイルカが描かれている。
ワインレッドの客室内装はイタリアのデザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロによる「ARMONIAデザイン」で、イタリア語で調和を意味する。座席数は1列4席で、手荷物収納棚が大きく、ターボプロップ機では客室がもっとも広い。
機体下部には熊本県の人気キャラクター「くまモン」がサンタクロースに扮した「モンタクロース」を描いた。
ATRはエアバスと伊アレニア・アエルマッキの共同事業体として、1981年に設立されたリージョナル機メーカー。日本の航空会社では当初、2013年12月に自己破産した地域航空会社リンク(福岡県福岡市)が、日本初のATR機としてATR 72-600(68席から74席)を3機リースで導入予定だった。
ATR42は天草エアラインに続き、日本航空(JAL)グループで鹿児島空港を拠点とする日本エアコミューター(JAC)が、2017年から導入する。8機を確定発注し、1機をオプション、14機の購入権付で契約している。
メーカーのATRは、鹿児島に開設したスペアパーツセンターを活用したMRO(整備・改修・オーバーホール)ビジネスの展開や、フライトシミュレーター設置にも意欲を見せている。
JACの同型機導入により、従来は全便運休していた重整備の際、機体の融通など柔軟に対応できる可能性が出てきた。また、JALは2015年4月から天草エアラインの全便を対象に、コードシェアを始めている。
九州内での同型機導入や大手のとのコードシェアは、地域航空会社の課題である経営の安定化に貢献していきそうだ。
天草-福岡
MZ101/JL3890 天草(07:55)→福岡(08:30)
MZ105/JL3894 天草(15:40)→福岡(16:15)
MZ107/JL3898 天草(18:05)→福岡(18:40)
MZ102/JL3891 福岡(09:05)→天草(09:40)
MZ106/JL3895 福岡(16:50)→天草(17:25)
MZ108/JL3899 福岡(19:15)→天草(19:50)
天草-熊本
MZ201/JL3872 天草(10:05)→熊本(10:25)
MZ202/JL3873 熊本(14:50)→天草(15:10)
熊本-伊丹
MZ801/JL3880 熊本(10:55)→伊丹(12:20)
MZ802/JL3881 伊丹(12:55)→熊本(14:20)>