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極東開発工業がボルボへ超大型ダンプをOEM。インド事業テコ入れ

年600台生産。さらに大手トラックメーカーからの受注狙う
極東開発工業がボルボへ超大型ダンプをOEM。インド事業テコ入れ

ボルボ向けに供給する超大型OEMダンプ

 極東開発工業はインド事業で、スウェーデン・ボルボからダンプトラックのOEM(相手先ブランド)生産を受注した。車軸4軸以上の超大型ダンプを供給する。超大型は欧州系が強く、国土が広いインドの市場規模は年約2000台規模で、このうちボルボはシェア7割でトップ。極東開発はボルボが同国で手がける超大型ダンプの半分弱を手がける。インドを含む2018年度海外売上高目標70億円(15年度は約20億円)の達成に弾みをつける。

 ボルボ向けダンプのOEMはすでに始まっており、生産台数は月を追うごとに上げている。年内に月産ベースで約50台規模、年間600台ペースまで高まる見込みだ。

 極東開発は国内大手特装車メーカーの一角。日本で培った品質や性能、技術がボルボから高評価を得た。ボルボとの取引実績は他社からのOEM獲得の弾みにもなる。インド市場で存在感のあるトラック世界大手スカニア(スウェーデン)や、独ダイムラーなどからの受注も狙う。

 極東は12年にインド企業との合弁でダンプ年産1200台、ミキサー車同480台可能なインド工場を稼働。調達車台に架装したオリジナル車や、トラックメーカーにスポットでダンプをOEM供給している。
日刊工業新聞2016年8月23日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
インドのダンプ市場の商流は、完成車メーカーブランドを特装メーカーがOEM供給するのが一般的で、極東は苦戦していた。ミキサー車も厳しいが現地トップ企業の市場在庫がようやく減り、市場が正常化しつつあるようだ。 日系企業のインド事業は産業を問わずどこも収益は厳しい。内需と中東、アフリカへの「輸出拠点」に使い分ける企業も多い。極東はボルボからの受注を機にインド事業を軌道に乗せるこはできるか。

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