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ホンダがベトナムを渋滞緩和へと“みちびく”

準天頂衛星で走行データ収集、年内に実証
ホンダがベトナムを渋滞緩和へと“みちびく”

現在運用中の準天頂衛星「みちびき」のイメージ(JAXA提供)

 ホンダは経済産業省と組み、年内にベトナムで準天頂衛星システム(QZSS)により自動車走行データを収集し、交通渋滞緩和や事故防止、物流効率化などの新サービス創出に向けた実証試験に乗り出す。

 誤差数センチメートルという超高精度測位の優位性を生かした新事業領域を発掘し、日本企業の参画を通じて、新興国経済の発展を後押しする。自動運転関連技術をはじめ、自動車業界での衛星利用ビジネスの裾野が広がる。

 経産省が公募した「ベトナムにおける準天頂衛星システムを活用した高精度測位サービス実証事業」に採択された。ホンダは2016年度内に実証結果をまとめる。

 数十台規模の4輪車、2輪車に測位信号受信機を取り付け、市街地を走行。測位精度を評価するとともに、収集・解析データを用いた新サービスの技術的課題を洗い出す。同時にベトナム政府からヒアリングを実施し、法的、制度的課題と対応策を探る。

 ホンダは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業で、タイでも同様の実証試験の実績がある。今回の実証ではビジネス機会調査に重点を置く見通しだ。

(ベトナムは激しい渋滞に悩まされている)
日刊工業新聞2016年8月19日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
準天頂衛星は全地球測位システム(GPS)よりも高精度測位が可能。日本では2010年に準天頂衛星初号機「みちびき」が打ち上げられ、18年度から4機体制でのサービス開始を目指している。さらに2023年度をめどに持続測位可能な7機体制の運用が計画されており、例えば自動車分野では自動運転での位置補正などでも利用される。さまざまな産業・サービスに活用を。

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