哺乳類の指・手首は「魚のヒレの柔らかい骨」から進化した!

米シカゴ大、進化した機構解明

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遺伝子改変技術で指と手を作る細胞群を蛍光で観察した結果。マウスでは指・手首(上)が光りゼブラフィッシュのヒレ(下)では柔らかい骨の部分「鰭条」が光った(シカゴ大提供)
 米シカゴ大学の中村哲也研究員らは、哺乳類の指と手首の骨が魚のヒレの柔らかい骨の部分「鰭条(きじょう)」から進化したことを解明した。魚のヒレが哺乳類の手足に進化したことは知られていたが、指や手首の骨がヒレのどこから生まれたかは不明だった。魚が陸上動物へと進化したメカニズムの解明につながることが期待される。成果は18日、英科学誌ネイチャー電子版に掲載された。

 魚のヒレは根元に硬い骨の部分があり、同部分から外側に向かって柔らかい鰭条が伸びている。研究チームは、哺乳類であるマウスの指と手首の形成に関わる遺伝子「Hox遺伝子」に着目。遺伝子を改変したゼブラフィッシュを使って、同遺伝子を発現した細胞群がヒレのどの部分で働くかを蛍光顕微鏡で観察したところ、根元の硬い骨ではなく鰭条の部分を作ることが分かった。

 さらに、Hox遺伝子の中でもマウスの指と手首を作るのに重要な役割を果たす「Hox13」を破壊したゼブラフィッシュを作製。マウスでHox13を破壊すると指と手首がなくなるのに対し、ゼブラフィッシュでは鰭条を持たない魚ができあがった。

 中村研究員は実験結果について「魚のヒレの柔らかい骨が徐々にその成分を変え、硬い骨に変化して哺乳類の指と手首ができたことを示唆している」と説明している。

日刊工業新聞2016年8月19日 科学技術・大学面

COMMENT

昆梓紗
デジタルメディア局DX編集部
記者

鰭条のまわりには鰭条をつなぐ「鰭膜」という薄い膜があります。哺乳類にも水かきがある生物もいますし、なんとなく作りが似ていますね。

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