空港に自動運転の電動車いす登場−パナソニックなど、18年度中に運用開始

  • 1
  • 3
電動車いす「ウィルネクスト」
 パナソニックとウィル(横浜市鶴見区)は空港を主対象に、衝突回避自動ブレーキシステムと自動運転機能を搭載した電動車いす「WHILL(ウィル)ネクスト」の提案活動を本格化する。第1弾として国内の主要空港から受注を内定しており、2018年度中に運用を始める。今後は20年までに全国の空港に順次配置することを目指す。また商業施設や駅への導入も視野に入れ、20年以降は海外に進出する。

 高齢者や身体障がい者に限らず、誰もが使える「パーソナルモビリティー」としての普及を目指す。20年の東京五輪・パラリンピック開催を機に、自律移動式パーソナルモビリティーを訪日外国人の玄関口となる空港に配置して海外に技術力をアピールする。空港や商業施設などの混雑する空間では、スムーズに機器を動かす技術と高い安全性の確立が不可欠。実用化に向けては搭載するセンサー性能や、歩行者の動きを検知・予測し自身の動きを決定するアルゴリズムの最適化など課題も多い。

 ウィルネクストには、ウィル製の電動車いす「ウィルモデルA」にパナソニックのセンサー技術を実装している。国内外の医療機関で稼働しているパナソニックの自律搬送ロボット「ホスピー」に搭載されている衝突回避システムと自律走行システムを採用した。導入に向け、人混みや物が多く並ぶ店舗内など混雑した場所でも安全でスムーズに移動できるようにする。

 7月にはウィルネクストを用いた初の実証実験を首都圏の空港で実施し、自動停止機能の安全性を評価した。実験では対象物を過敏に検知し頻繁に止まるなどの改善点も明らかになった。課題の発見と対策を前倒しで実施し、早期の実用化につなげる。

 12月には「自律移動によるウィルネクストの自動回収」をテーマに、2回目の実証実験を行う予定。17年度以降は、指定した場所までの自動走行や移動エリアを拡張した実証実験などテーマを設け、段階的に検証する。取得したデータを基に、搭載するセンサーやアルゴリズムに改良を加え、移動時の安全性と快適性を高める。

日刊工業新聞2016年8月18日 電機・電子部品・情報・通信面

COMMENT

昆梓紗
デジタルメディア局
記者・編集者

普通の歩行者でも人とぶつかってしまうこともあるくらい、さまざまな人や機械が複雑に動き回る空港。自律走行が役立つ場面や場所も検討する必要がありそうです。

関連する記事はこちら

特集