卓球男女団体、メダル決戦!人とロボットがどこまでラリーを続けられるか
人と機械の融和を目指すオムロンの挑戦
オムロンは昨年10月に開催されたIT・エレクトロニクス総合展示会「CEATEC(シーテック)ジャパン2015」で、人間とラリーができる卓球ロボットの進化形を出展。今回は卓球台の面がディスプレーになり、返球した球がどこでバウンドするかを表示する。事前にどこへ動けば良いか分かり、ラリーの上達につながる。
卓球ロボットは前年の「CEATEC2014」で、「米国メディアパネル・イノベーションアワード 」のグランプリを受賞。米国のIT・家電関係のジャーナリストから高い評価を受けた。開発担当者によると、1年間でアルゴリズムが大きく進化したという。
オムロンの卓球ロボット開発は始まってすぐ、センサーとコントローラによる計算でラケットを動かすところまではできた。しかし、何度やってもロボットは空振り。まともに返すことすらできなかったという。人間同士であれば卓球のラリーを続けることは簡単だが、人と機械がラリーを続けることは非常に高度な技術が求められる。
具体的には人が打った球をセンサーで捉え、それをどう打ち返したらよいのかを計算、ロボットを動かして打つ。これらをわずか1000分の1秒単位で細かく制御している。
計算された打点の位置が問題なのか、打つように指令しているタイミングがずれているのか。指令と動作の通信でもタイムラグが発生する。その間にも常にボールは動き続ける。開発担当者によると、空振りの原因究明が本当に難しかったという。
卓球ロボットの最大の特徴は、「ラリーの継続」という目標を人と共有しそれを達成するために、自ら考え判断している点にある。そのためには、機械が人の状態を把握して、その状況に応じて相手を支援する行動を取ることが重要。
卓球ロボットは人とラケットの位置を考慮し、球の三次元位置計測と軌道予測を行い、高速・高精度にロボットを制御しているのだ。これらバラバラの動きを、1000分の1秒単位で同期させて制御しないと空振りしてしまう。
制御により、山なりで打つ人には山なりのゆっくりした球を、少し早い球で打つ人には少し早い球を返すことが可能になる。さらに、人が打った球の軌道が悪く、絶対にラケットが届かないと機械が計算したときでも、あえて限界まで腕を伸ばして空振りするようにしている。
現在の自動化の便利さは、まだまだ人の配慮や協力が欠かせないのが現状。だが、将来は、さまざまな種類の機械の動きについて、人が『こういうことをしたい』と機械に伝えるだけで思った通りに動かすことができるようになるだろう。機械にこのような協調性を持たせるには、人と機械が相手の動きを邪魔しないよう働ける仕組み作りが欠かせない。
卓球ロボットは前年の「CEATEC2014」で、「米国メディアパネル・イノベーションアワード 」のグランプリを受賞。米国のIT・家電関係のジャーナリストから高い評価を受けた。開発担当者によると、1年間でアルゴリズムが大きく進化したという。
オムロンの卓球ロボット開発は始まってすぐ、センサーとコントローラによる計算でラケットを動かすところまではできた。しかし、何度やってもロボットは空振り。まともに返すことすらできなかったという。人間同士であれば卓球のラリーを続けることは簡単だが、人と機械がラリーを続けることは非常に高度な技術が求められる。
センサー使い1000分の1秒単位で細かく制御
具体的には人が打った球をセンサーで捉え、それをどう打ち返したらよいのかを計算、ロボットを動かして打つ。これらをわずか1000分の1秒単位で細かく制御している。
計算された打点の位置が問題なのか、打つように指令しているタイミングがずれているのか。指令と動作の通信でもタイムラグが発生する。その間にも常にボールは動き続ける。開発担当者によると、空振りの原因究明が本当に難しかったという。
卓球ロボットの最大の特徴は、「ラリーの継続」という目標を人と共有しそれを達成するために、自ら考え判断している点にある。そのためには、機械が人の状態を把握して、その状況に応じて相手を支援する行動を取ることが重要。
卓球ロボットは人とラケットの位置を考慮し、球の三次元位置計測と軌道予測を行い、高速・高精度にロボットを制御しているのだ。これらバラバラの動きを、1000分の1秒単位で同期させて制御しないと空振りしてしまう。
制御により、山なりで打つ人には山なりのゆっくりした球を、少し早い球で打つ人には少し早い球を返すことが可能になる。さらに、人が打った球の軌道が悪く、絶対にラケットが届かないと機械が計算したときでも、あえて限界まで腕を伸ばして空振りするようにしている。
現在の自動化の便利さは、まだまだ人の配慮や協力が欠かせないのが現状。だが、将来は、さまざまな種類の機械の動きについて、人が『こういうことをしたい』と機械に伝えるだけで思った通りに動かすことができるようになるだろう。機械にこのような協調性を持たせるには、人と機械が相手の動きを邪魔しないよう働ける仕組み作りが欠かせない。
日刊工業新聞2015年10月9日記事を大幅加筆