家電量販店大手、決算はそろって減収―不振は本当に増税後に反動だけなのか!?

ヒット商品の不在やネットへ需要流出か。今期はいよいよ各社の経営は正念場を迎える

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大手スーパーも家電PBを強化
 大手家電量販店の業績がさえない。昨年の消費増税の影響は軽微とみていたチェーンが多かったが、ところが意外にも夏を過ぎても需要は戻らず、秋冬商戦もそれほど盛り上がらなかった。増税前の駆け込み需要の反動が尾を引いているのか。それとも別の要因があるのか。

 まずはヤマダ電機が5月7日発表した2015年3月期決算。減収減益だった。消費増税後の反動減などの影響を受け、売上高が前期比12・1%減の1兆6643億円、営業利益が同41・9%減の199億円、経常利益が同29・2%減の355億円、当期利益が同50・0%減の93億円となった。岡本潤専務は「全都道府県に展開している唯一の家電量販店となり、自社競合が起きていると認めざるを得ない」と述べた。
 
 16年3月期は売上高が同1・7%増の1兆6920億円、営業利益が同2・1倍の416億円、経常利益は同42・7%増の507億円、当期利益が同2・7倍の254億円と、景気回復を追い風に構造改革を進めて増収増益を見込む。16年3月期の配当は6円を予定。

 ケーズホールディングスの15年3月期も売上高が前年同期比9・1%減の6371億円、純利益は14・1%減の150億円だった。

 家電量販店大手の不振は14年4-9月期の連結決算でもみてとれていたが、結局10月以降も回復しなかった格好だ。ヤマダ電機、ケーズホールディングスの14年4―9月期連結決算はそろって減収増益。消費増税前の駆け込み需要の反動減と「増税によるマインドの冷え込み」(遠藤裕之ケーズホールディングス社長)で減収となったが、2社ともに販管費削減などで増益を確保した。

 ヤマダの4―9月期の売上高は前年同期比7・2%減、ケーズは同2・8%減の3173億円。ヤマダは販管費削減で営業増益とし、営業外で20億円の為替差益を計上して最終黒字(前年同期は41億円の赤字)を確保。ケーズは付加価値商品の販売を伸ばし営業利益は14・0%増の77億円だった。
 
 両社は消費動向について「都市部は反動減の影響がなだらかだが、地方はまだ続いている」(岡本潤ヤマダ電機取締役)、「(増税の影響で)ローカルではマインド的にカネを使えないと思う人が多い」(遠藤ケーズHD社長)と話していた。

 家電量販店の不振は本当に、増税後に反動減の影響が尾を引いているだけなのか。それとも家電市場のヒット商品の不在やネットなどに需要が流出しているのか。いずれにしても今期が正念場であるのは確か。

 
 


日刊工業新聞2015年05月08日 建設・エネルギー・生活面の記事に大幅加筆

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家電量販店の業績低迷は一過性でしょうか。それともネットという販路が出現してオーバーストア状態が顕在化してきたのか。後者だと業界的には当面厳しいでしょうね。

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