7月の工作機械受注、外需比率は2006年11月以来の低さ。年間目標遠のく
日本工作機械工業会(日工会)が9日発表した7月の工作機械受注実績(速報値)は、前年同月比19・6%減の1044億1400万円だった。12カ月連続で前年実績を割り込んだ。外需が同24・2%減の531億1300万円。550億円を下回るのは39カ月ぶりだ。日工会は「円高進行による計算上の目減り、欧米の夏季休暇などが影響した」と分析する。
内需は同14・3%減の513億100万円で6カ月連続減だった。設備投資向けの政府補助金が需要を創出し、2カ月連続の500億円超えとなる。外需の減少は14カ月連続。
外需比率は50・9%で2006年11月以来の低さだった。1―7月累計は前年同期比21・7%減の7354億2000万円。年後半は前半と同様の月1000億円規模で推移するとみられる。日工会の年間目標の1兆5500億円の達成は遠のいた。
日刊工業新聞社が9日まとめた工作機械主要7社の7月の受注実績は、前年同月比22・7%減の298億8100万円だった。中国経済の停滞と米国市場での一服感が強かった。国内は設備投資向けの政府補助金が下支えする一方、輸出は同31・9%減の128億900万円と大きく落ち込んだ。牧野フライス製作所は米中の停滞が起因し、国内が2009年8月以降で初めて輸出を上回った。
米中が精彩を欠いている。牧野フライスは米国で自動車向けが減少し、中国では車、IT機器向けが低調だった。輸出の減少が足を引っ張り、全体額も60億円を下回った。オークマも「米中のトーンが変わってきた」(営業部)と両市場の変化をみる。中国はユーザーが設備投資のための資金を借りにくい状況。
米国は「ピークを越えた感がある」(同)といい、OKKは輸出が同69・5%減と苦戦した。米国は航空機向けで一服感がある。アジアでは商談が長引くようになったという。世界経済の先行きに不透明感高まり、設備投資に慎重になっているようだ。
ただ、牧野フライスは「内需が外需を上回るのは瞬間的だろう」(業務部)とし、米中の不調が偶発的に重なったとの見方だ。車向けについてジェイテクトは、「7月の減少は車業界特有の山谷の範囲だ」(広報部)と指摘し、停滞期に入ったとはみていない。
内需は同14・3%減の513億100万円で6カ月連続減だった。設備投資向けの政府補助金が需要を創出し、2カ月連続の500億円超えとなる。外需の減少は14カ月連続。
外需比率は50・9%で2006年11月以来の低さだった。1―7月累計は前年同期比21・7%減の7354億2000万円。年後半は前半と同様の月1000億円規模で推移するとみられる。日工会の年間目標の1兆5500億円の達成は遠のいた。
米国は「ピークを越えた感がある」
日刊工業新聞社が9日まとめた工作機械主要7社の7月の受注実績は、前年同月比22・7%減の298億8100万円だった。中国経済の停滞と米国市場での一服感が強かった。国内は設備投資向けの政府補助金が下支えする一方、輸出は同31・9%減の128億900万円と大きく落ち込んだ。牧野フライス製作所は米中の停滞が起因し、国内が2009年8月以降で初めて輸出を上回った。
米中が精彩を欠いている。牧野フライスは米国で自動車向けが減少し、中国では車、IT機器向けが低調だった。輸出の減少が足を引っ張り、全体額も60億円を下回った。オークマも「米中のトーンが変わってきた」(営業部)と両市場の変化をみる。中国はユーザーが設備投資のための資金を借りにくい状況。
米国は「ピークを越えた感がある」(同)といい、OKKは輸出が同69・5%減と苦戦した。米国は航空機向けで一服感がある。アジアでは商談が長引くようになったという。世界経済の先行きに不透明感高まり、設備投資に慎重になっているようだ。
ただ、牧野フライスは「内需が外需を上回るのは瞬間的だろう」(業務部)とし、米中の不調が偶発的に重なったとの見方だ。車向けについてジェイテクトは、「7月の減少は車業界特有の山谷の範囲だ」(広報部)と指摘し、停滞期に入ったとはみていない。
日刊工業新聞2016年8月10日