都心でリノベーション人気高まる。NTT都市開発、麻布十番に物件取得

  • 0
  • 0
 NTT都市開発は大規模改修(リノベーション)事業を本格的にスタートした。東京都港区の高級賃貸マンションを、上場不動産投資信託(J―REIT)から1棟丸ごと取得。リノベーションを施し、分譲マンションとして新たに売り出した。東京都心部では高額物件の人気が継続する一方、新規の用地取得が難しくなっている。今後も年間1―2棟をめどに物件取得を進め、実績を積み上げる。

築27年の賃貸マンション約10億円で取得


 NTT都市開発が発売した分譲マンション「イクシクス麻布十番」は、東京メトロ「麻布十番」駅からほど近い閑静な住宅街に位置する地上6階建ての物件。既築マンションのリノベーションに豊富なノウハウを持つリビタ(東京都渋谷区)と組み、築27年の賃貸マンションを約10億円で取得した。

 7月までに共用部の大規模改修を終え、空いた部屋から販売し、リフォームを進める。もともと外国人などを対象にした物件だけに、1戸が約96―160平方メートルという大きな部屋が特徴。1坪(約3・3平方メートル)当たりの単価は、周辺の既築マンションの相場に照らすと割安感があるようだ。現在は全13戸のうち3戸が契約済みだ。分譲価格は約1億5000万―2億2000万円。

築100年までの長期修繕計画を策定


 リノベーションに当たっては、麻生十番という土地柄を意識し、伝統とモダンを同時に感じる「ミックス感」にこだわった。賃貸マンションの共用部は、分譲に比べるとどうしてもグレードが落ちることになりがちだが、玄関周りのデザインや床、照明の選定にも配慮し、新築の分譲マンションの「豊かさ」を演出した。

 また、躯体の性能を確認した上で、築100年までの長期修繕計画を策定した。積立金は高くなったものの「30―40年という修繕計画は逆に不自然だ。購入者の資産を100年保たせる」(西部周志分譲事業部事業開発担当第1部第2グループ統括マネージャー)とした。

 東京カンテイ(東京都品川区)の調査によると、6月の東京都心6区(千代田、中央、港、新宿、文京、渋谷)の中古マンション価格(70平方メートル換算)は、前月比0・1%増の7150万円とほぼ横ばいだった。価格水準に過熱感が出ていることに加え、株安や為替の円高で国内外の投資家の動きも鈍っている。

東京都心の高級物件、根強い人気


 ただし、都心部の物件は資産価値の長期的な安定が見込めることから、根強い人気があることも事実。現在は90年代に大規模供給された物件が大規模修繕の時期を迎えており、REITなどの物件入れ替えによる流通量の増加も見込まれる。NTT都市開発は「今後も東京都心の高級物件に絞って」(西部統括マネージャー)事業を進めていく考えだ。

 リノベーション市場は専門の事業者だけでなく、ここ2、3年で三菱地所レジデンスや東急不動産など不動産大手の参入も相次いでおり、市場が活性化している。
(文=斎藤正人)

日刊工業新聞2016年8月8日 建設・エネルギー・生活面

COMMENT

昆梓紗
デジタルメディア局DX編集部
記者

おしゃれ感度の高い人の界隈で、あえて中古マンションを購入し、自分なりにリノベーションするのが注目されているように思います。ただ個々の部屋のリノベーションでは共通部分まで手を入れられません。棟まるごとのリノベーションでは共通部分や長期修繕計画も考慮されるので、安心して購入できそうです。

関連する記事はこちら

特集