国際宇宙ステーションにも採用!室蘭の中小企業が開発した保冷剤がすごい

アイスジャパン、海外で保冷剤販売−産業用・旅行客向け開拓

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携帯型保冷剤「パンチクール」などの製品群を海外に投入する
 【札幌】アイスジャパン(北海道室蘭市、松岡正昭社長)は海外で保冷剤の販売に乗り出す。携帯型の保冷剤「パンチクール」などを東南アジアの旅行客向けに販売するほか、家電の保冷部材など産業用市場も開拓する。同製品は地域の優れた資源・技術を活用した新商品・新サービスの開発を支援する2015年度「ふるさと名物応援事業」に採択されており、2―3年後をめどに海外売上高1億円程度を目指す。

 アイスジャパンは食品や薬品、化粧品の搬送時に温度を一定に保つ保冷・蓄熱剤を生産する。保冷剤は国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」の実験試料保存用の冷凍冷蔵庫に採用された。冷凍冷蔵庫の電力遮断時にもマイナス74度Cを3時間維持できる保冷剤も、宇宙航空研究開発機構(JAXA)やIHIエアロスペースと共同開発した。

 海外向けには日系旅行会社と販売契約し、パンチクールなどを旅行会社の現地拠点を通じて観光客に販売する。日本や欧米から訪れる観光客向けに需要があるとみている。産業用の販売先も開拓し、松岡社長は「9月までに30社と契約したい」という。

 15年度のふるさと名物応援事業(JAPANブランド育成支援事業)に採択され、東南アジア諸国連合(ASEAN)やロシア・北欧地域での市場調査の予算を確保した。3月にはタイの企業を買収、将来は保冷剤の現地生産を始める計画だ。

 同社の16年5月期の売上高(単独)は約13億円。国内での食品向け携帯型の保冷剤に加え、iPS細胞(人工多能性幹細胞)など最先端の再生医療分野や海外販売など新規分野を開拓している。

日刊工業新聞2016年8月8日

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宮里秀司
出版局
企画委員

北海道の地場企業が開発した「パンチクール」。地域発の製品がアジアなど海外に拡がっています。

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