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壁や柱にコンクリ板材使う新建築構法、集合住宅の工期大幅短縮

加藤建築事務所が提案。価格は最大2割、工期は2カ月程度に抑えられる。
壁や柱にコンクリ板材使う新建築構法、集合住宅の工期大幅短縮

PCa+S構法を利用したアパート・マンションのイメージ

 加藤建築事務所(北九州市小倉北区、加藤史衛社長)は、壁や柱にコンクリート板材を使って短期間で建築する「PCa+S(ピーシーエープラスエス)構法」を利用したアパート・マンション建設を始める。価格を抑え、工期を大幅に短縮できる。ハウスメーカーが立地しない都市部や狭い用地に低層・低価格の物件を建設し、住宅販売業者に売り込む。

 PCa+S構法は、工場であらかじめ製造したコンクリート板材を現場に移送して建物を建築する。鉄筋コンクリート(RC)と同等の強度ながら、価格を10―20%程度、工期は3分の1の2カ月程度に抑えられる。

 加藤建築事務所は協力工場から調達した板材を使い、まず2階建て8戸、投資額4000万―5000万円程度の小規模アパートを建設する。住宅販売や不動産業者のほかに、資産運用を希望する個人向けにも販売する。3階建ても含め、3年後をめどに年間10棟程度を建設する計画だ。

 これまで病院や薬局のほか、秋月美術館(福岡県朝倉市)など公共物件で実績を積み上げてきた。近年は東日本大震災や熊本地震など自然災害が相次ぎ、全国で資材も労働力も不足していることから「耐火・耐震性能も含めてPCa+S構法には一定の需要がある」(加藤社長)と判断した。
日刊工業新聞2016年8月3日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
いろいろと違法建築の問題があったりする中で、こういう努力や提案はとても好感が持てる。イラストを見ても美しい。

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