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苦肉の策か、俊敏な対応か。スズキが国内で輸出車を増産

燃費測定不正で国内販売に影響。新型「イグニス」「スイフト」で生産を下支え
苦肉の策か、俊敏な対応か。スズキが国内で輸出車を増産

新型「イグニス」と鈴木俊宏社長

 スズキは国内で輸出向け小型車を増産する。小型クロスオーバー車「イグニス」の輸出向けを8月中に、新型「スイフト」の輸出向けを2017年1月をめどに生産開始する。いずれも相良工場(静岡県牧之原市)で生産する。新型スイフトは燃費測定不正の影響で国内投入が計画より遅れる見通し。海外向けを計画通り増産することで国内生産を支え、世界販売への影響を最小限にとどめる考えだ。

 イグニスは日本で集中生産して海外に輸出する世界戦略車。国内では2月に市場投入した。輸出は欧州やインド向けを中心に、月産3000台程度を計画する。

 一方、スイフトは当初、秋頃に全面改良して国内市場に投入した後、17年初めから輸出向けを生産する予定だった。しかし燃費不正の影響で、国内での新型車の発売時期が17年2月以降に遅れることが確実となり、輸出向けを先行して供給する。国内での販売計画のある世界戦略車で、輸出を先行するケースは業界でも珍しい。
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日刊工業新聞2016年8月2日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
イグニスとスイフトの輸出分が軌道に乗れば、相良工場の生産規模は現在の年産約10万台からほぼ倍増する。同工場ではすでに生産シフトを昼のみの1直から昼夜2交代制にして、増産に備えているという。為替が今後どのように振れて、収益にインパクトを与えるかは不透明だが、その当たりを含めコストのバッファは多少あるだろう。

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