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那覇で容器に詰めて翌日には東南アジアへ。越境ECの可能性

ホシケミカルズが中小を支援。化粧品などを短納期配送
那覇で容器に詰めて翌日には東南アジアへ。越境ECの可能性

那覇市の保税工場(ホシケミカルズ提供)

 ホシケミカルズ(東京都千代田区、川島勝郎社長)は、今秋にも越境電子商取引(EC)支援事業に乗り出す。同社は化粧品OEM(相手先ブランド)生産を手がけており、自社でサイト運営が難しい中堅化粧品メーカー向けに、受発注業務や配送などを一括受託する。那覇市の工場を活用するため、アジアに短納期で配送できる。

 海外では、日本製化粧品が人気で、越境ECのニーズも高まっている。資生堂やコーセーなど大手化粧品メーカーは、代理商を通じて越境ECに商品を一部提供しているものの、海外の薬事法や関税の法改正などが障壁となり、本格的な直営の運用は進んでいない。また、中堅企業は越境ECのノウハウが少なく、単独ではサイト開設が難しかった。

 ホシケミカルズが顧客のメーカー向けに個別のECサイトを作成し、海外の消費者が商品を注文できる仕組みを提供する。配送先はタイ、マレーシア、台湾、シンガポール、香港、中国の6カ国。地の利を生かし、沖縄から翌日配送する。

 同社は口紅や化粧水など化粧品を受託製造する。埼玉県と群馬県の工場で内容物を製造し、ヤマトホールディングス(HD)が那覇市に持つ物流施設内にあるホシケミカルズ沖縄工場で容器に充填・包装・梱包する。

 取引先の受注管理や決済機能などの通販業務は、ヤマトHDが運営する通販ビジネス向けパッケージサービス「YES!」を活用する。多言語に対応した商品サイト作成も支援する。年内に5社の受注を目指す。
2016年7月26日 総合1
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
消費者向け商品を製造販売する中堅中小メーカーでは、東南アジアなどへ輸出する越境ECに活路を見いだしているところも少なくありません。自前で配送ルートを持たない中堅中小にとって、沖縄で商品を詰め替えてアジアに直送することは大いにメリットがあると思います。

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