1000人が歩いてGoogleマップを作る。ゼンリン、歩行調査の全貌!
市は年に1度、町村は2―5年に1度更新。先進運転をサポートする3Dのデータ蓄積も
スマートフォンにカーナビゲーション(カーナビ)など、現代になくてはならない住宅地図や道路地図だが、製作は今も手作業で進められていることは意外に知られていない。地図最大手のゼンリン(北九州市)は全国70拠点に約1000人の調査スタッフを抱え、歩行・走行調査を北海道から沖縄まで日々行っている。歩行調査は市で年に1度、町村は2―5年に1度のペースで更新が進められる。
データベースは住宅地図、カーナビ、歩行者ナビゲーション、海外ナビゲーションに分けられる。このうち住宅地図は調査スタッフが道を歩き、建物をチェックして変更点のあるなしを記録していく。これをハンドデジタイザーと呼ぶ専用装置で入力する。データは約1000のレイヤー(階層)に分けられ、各階層ごとに国道、市道、町名、ビル名、人名など多層に管理する。
一方、同社製カーナビデータの特徴は道路でなく、建物の入り口まで案内するほど詳細だ。一般的にはカーナビに行き先を入力すると「目的地周辺に到着しました」で案内が終了するが、同社製品は河川や一方通行を迂回(うかい)して目的地前まで正確に案内する。全国の住宅地図を製作、提供するメーカーは同社しかなく、自治体や警察、消防、不動産業などは同社製データを基に市民生活を支えている。
近年、特に力を入れているのが3次元(3D)化だ。中でも自動車の自動運転に対応する高精度地図データの開発が進む。2020年頃に普及が本格化すると見られる自動運転支援の一つ「ADAS(エーダス=先進運転支援システム)」をサポートする技術だ。
具体的には、全方位カメラによる撮影画像とレーザーで取得した点群情報を融合して3D地図データを作成、道路情報として登録することで安全運転を手助けする。
数メートルの誤差が生じる全地球測位システム(GPS)よりも詳細で、標識や信号といった静的情報のほか、進行方向先にある急カーブや高速道路上の警戒領域などまで含むため、安全度は飛躍的に増す。すでに専用機材を搭載した車両が稼働しており、データの蓄積・作成が着々と進められている。
(日刊工業新聞2014年10月28日 モノづくり面)
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ゼンリンの地図利用調査によると、移動中に使う地図は40代半ばまででスマートフォン用地図が多数派を占めた。18―34歳では60%以上がスマホを使い、35―44歳もスマホ派が46・9%で、印刷したパソコン用地図の利用を24・2ポイント上回った。45―55歳はパソコン派が多いが、スマホとの差は7・3ポイントと小さい。55―69歳ではパソコン派が半分以上だった。直近3年でスマホ利用は全世代で増加し、55―69歳も年4―6%増加している。一方、1年以内にカーナビを利用した人は減少傾向にある。
データベースは住宅地図、カーナビ、歩行者ナビゲーション、海外ナビゲーションに分けられる。このうち住宅地図は調査スタッフが道を歩き、建物をチェックして変更点のあるなしを記録していく。これをハンドデジタイザーと呼ぶ専用装置で入力する。データは約1000のレイヤー(階層)に分けられ、各階層ごとに国道、市道、町名、ビル名、人名など多層に管理する。
一方、同社製カーナビデータの特徴は道路でなく、建物の入り口まで案内するほど詳細だ。一般的にはカーナビに行き先を入力すると「目的地周辺に到着しました」で案内が終了するが、同社製品は河川や一方通行を迂回(うかい)して目的地前まで正確に案内する。全国の住宅地図を製作、提供するメーカーは同社しかなく、自治体や警察、消防、不動産業などは同社製データを基に市民生活を支えている。
近年、特に力を入れているのが3次元(3D)化だ。中でも自動車の自動運転に対応する高精度地図データの開発が進む。2020年頃に普及が本格化すると見られる自動運転支援の一つ「ADAS(エーダス=先進運転支援システム)」をサポートする技術だ。
具体的には、全方位カメラによる撮影画像とレーザーで取得した点群情報を融合して3D地図データを作成、道路情報として登録することで安全運転を手助けする。
数メートルの誤差が生じる全地球測位システム(GPS)よりも詳細で、標識や信号といった静的情報のほか、進行方向先にある急カーブや高速道路上の警戒領域などまで含むため、安全度は飛躍的に増す。すでに専用機材を搭載した車両が稼働しており、データの蓄積・作成が着々と進められている。
(日刊工業新聞2014年10月28日 モノづくり面)
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日刊工業新聞2015年04月20日 自動車面