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都市対抗野球、経営トップ悲喜こもごも

初優勝のトヨタの豊田社長は「全員野球」評価。鉄鋼ライバル2社は?
都市対抗野球、経営トップ悲喜こもごも

豊田章男社長

 「トヨタらしい初優勝」と感動に満ちあふれるのは、トヨタ自動車社長の豊田章男さん。「第87回都市対抗野球大会」でトヨタが初優勝を果たした。トヨタと愛知県豊田市にとって「悲願だった」優勝。選手はもとよりスタッフや応援し続けた従業員らも含めて「まさに全員野球でつかみとった」と喜びもひとしお。決勝戦の相手は茨城県日立市代表の日立製作所。モノづくりの町同士の戦いとなり「『日本のモノづくり、頑張れ』という社会人野球の神様からのエールのように思えた」と意義深さにも感動。

 「製鉄所を中心に地域の方など大勢の方々に集まって頂いた。応援を通して交流できたことが何より」とさばさば話すのは、新日鉄住金社長の進藤孝生さん。都市対抗野球に自社から2チーム出場したが、残念ながらともに初戦敗退。「相手投手が良かった。ここという場面でなかなか打てなかったね」と悔しがる。とはいえ、「試合終了後、両チームの応援団がエールを交換するなど、非常に良いカルチャーだなと思った。来年は打力もつけて、勝ち進んでもらいたい」と球場の雰囲気には満足したようだ。

 「残念だが、仕方ない。またチームをつくり直して、秋の日本選手権大会に臨みたい」と肩を落とすのは、JFEスチール社長の柿木厚司さん。都市対抗野球に東日本製鉄所と西日本製鉄所の両チームが出場。試合前は「決勝戦が両チームの戦いになったら応援をどうしよう」と期待も膨らんだが、健闘むなしくともに初戦敗退となった。本業の鋼材需給の方は「中国の状況など懸念材料はあるが、7―9月から反転し、秋からは間違いなく良くなる」ときっぱり。本業も野球部も秋には上り調子になる?



斉藤陽一
斉藤陽一 Saito Yoichi 編集局第一産業部 デスク
トヨタの初優勝は、失敗を恐れずに「バッターボックスに立つ」企業文化の象徴になるかもしれませんね。

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