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コンビニの淹れ立てコーヒーを向こうに回しチルドボトルがじわり人気

再栓できるキャップが仕事中でも便利で飲みやすく
コンビニの淹れ立てコーヒーを向こうに回しチルドボトルがじわり人気

「ボトラッテ」で、10月にコーヒーリッチを発売する

 コンビニエンスストアで人気の淹れ立てコーヒーと缶コーヒーの新商品などが競合する一方で、チルドボトル商品のコーヒー市場がじわりと拡大している。明治は5月、2014年9月に発売した「明治白のひととき」を刷新し、7月には抹茶タイプを投入した。雪印メグミルクも16年3月に発売した「ボトラッテ」で、10月にコーヒーリッチを発売し、品ぞろえを計3品とする。アイテムが増えたことで店頭の露出度が高まり、存在感も増してきた。

 明治と雪印のチルド商品に共通するのは、圧倒的なミルク感。両社ともに乳業メーカーだけあって「缶コーヒーやカフェチェーンのカフェラテとは、ひと味違う」との消費者の声が多い。

 缶コーヒーやコンビニのコーヒーは購入後、短時間で飲むことを想定した設計。だが、チルドボトルは容器上部に再栓できるキャップがついており、容量も400ミリ―430ミリリットルと多い。オフィスワーカーが会社の机に置いて、リラックスと集中を持続させながら“仕事の供”として飲む姿をイメージしている。

 明治の品ぞろえは、5月に刷新した白のひとときと3月発売の「深みミルク紅茶」、7月に発売した「辻利 本・抹茶ラテ」。雪印はボトラッテでカフェラテとロイヤルミルクティーに続き、コロンビア豆を使用してコーヒー分を1・5倍に高めたコーヒーリッチを出す。

 雪印のボトラッテは3月に発売して日が浅いが、担当者は「今の勢いなら年間売り上げ30億―40億円は行けそう」と強気だ。現行品のカフェラテ、ミルクティーとも「缶コーヒーなど他のカテゴリーで飲んでいた客層が、こちらへシフトしている」(雪印メグミルク)と分析する。リピート率も高く、コーヒーリッチで品ぞろえを増やし、購入拡大を狙う。

 明治も「1―6月の売り上げは前年同期比増をキープしている」と話す。市場成長が続きそうだ。
(文=嶋田歩)
日刊工業新聞2016年7月26日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
最近はファミマのアイスカフェラテばかり飲んでいる。チルドボトルは見た目もあって飲んだ気分になかなかならないのが難点か。冷たい飲料に限れば中が見えるのは大事。子供の頃、銭湯で飲む瓶のコーヒー牛乳の美味しかったこと。

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