イスラム教徒に「おもてなし!」礼拝室やラーメンで観光客に満足を
丹青社は組み立て式礼拝室、鹿児島と秋田の業者は本格派ラーメン生産へ
丹青社はハラル・ジャパン協会(東京都豊島区)と共同開発したムスリム(イスラム教徒)向けの組み立て式礼拝室の拡販に乗り出す。設置しやすく、短期のイベントにも対応できるなど組み立て式の利点を訴求する。導入時はハラル・ジャパン協会が従業員教育などをサポートする。空港や交通機関、商業施設などに今後2、3年で50台程度の販売を目指す。
開発した組み立て式礼拝室「WANOMA(ワノマ)」は日本在住のムスリムの意見などを取り入れて開発した。国や宗派、民族を問わないシンプルな設計としつつ建具や設備などに「和」のデザインを取り入れた。さまざまな設置場所を想定して数タイプを用意したほか、水回りの設備が整っていなくても設置できるよう手洗い用の給排水ユニットを標準化した。男女別に礼拝可能な四畳半程度の大きさの場合で価格は500万円程度を想定している。
ムスリムは1日5回ほど祈りをささげるとされ、場所の確保はムスリムの観光客誘致にも欠かせない。そこで近年では主要な空港やターミナル駅、商業施設、大学などにも礼拝室を設ける動きが広がっているが、今後の観光客増加を考えれば十分とはいえない。
両者はユニット単体での販売にとどまらず、礼拝室を中心とした空間づくりを支援し、施設の集客力向上につなげる。「お祈りに行きたくなる場所がつくれれば、新しい観光名所になることも期待できる」(佐久間代表理事)。ハラル・ジャパン協会が持つネットワークも活用してハラルに興味を持つ企業や地方銀行、自治体などに訴求していく。すでに第1弾として那覇空港に導入を済ませた。今後は都道府県ごとに1台をめどに拡販を進める。
<ラーメンも>
南北の中堅・中小企業がムスリム(イスラム教徒)用のラーメンづくりに乗り出した。1社が鹿児島県南九州市の南薩食鳥、もう1社が秋田県横手市の林泉堂。世界の人口の4分の1を占めるといわれるイスラム市場獲得の手段として、外国人にも人気の高い食品の日本ラーメンを選んだ。日本国内の「イスラム国(IS)」ショックも多少収まりつつあり、イスラム・ビジネスに対する関心も再び高まり始めた。
鶏肉業者の南薩食鳥は国産鶏肉の輸出拡大のためイスラム市場に注目、2011年からハラルフードの開発に着手、認証を得て、冷凍鶏肉やハム、ソーセージなどの販売を開始している。ハラルフード生産のために採用した実習生の話などから「ノンフライの鶏ラーメンやレトルトカレーの人気が高いことが判明。東京オリンピックが決まり、訪日観光客の拡大も期待できる」(徳満義弘社長)ことからラーメンとカレーの生産・販売に乗り出すことにした。
販売するのは塩としょうゆの鶏ラーメンと、チキンとビーフのカレー。日常食用は1人前で、400円。観光土産用はラーメンが1人前、2人前の2タイプあり500円と1000円。カレーは1人前のみでチキンが600円、ビーフが700円。「日常食用はスーパーなどに、土産用は免税店などに売り込んでいきたい」(黒木博常務)と話す。
林泉堂は秋田県内ナンバーワンの中華麺メーカー。ハラル食品の製造に乗り出すため倉庫を改造、ミキサーなど新規設備を導入しチャレンジ。大潟村のコメなど使い、「生麺では日本で初めて認証を得た」(林博樹社長)という。
しょうゆ、みそ、塩、さゆの4タイプのスープを用意。2人前で600円。「割高になっているが、今後、観光用、業務用を含めオーダーメード的につくっていきたい。とりあえず、マーケットを調査し、本格的にやっていきたい」と話す。すでに、東京では浅草のラーメン店「成田屋」がムスリム用のラーメンや弁当を手がけている。ムスリムが手軽にラーメンなどを食べられる日もそう遠くはなさそうだ。
開発した組み立て式礼拝室「WANOMA(ワノマ)」は日本在住のムスリムの意見などを取り入れて開発した。国や宗派、民族を問わないシンプルな設計としつつ建具や設備などに「和」のデザインを取り入れた。さまざまな設置場所を想定して数タイプを用意したほか、水回りの設備が整っていなくても設置できるよう手洗い用の給排水ユニットを標準化した。男女別に礼拝可能な四畳半程度の大きさの場合で価格は500万円程度を想定している。
ムスリムは1日5回ほど祈りをささげるとされ、場所の確保はムスリムの観光客誘致にも欠かせない。そこで近年では主要な空港やターミナル駅、商業施設、大学などにも礼拝室を設ける動きが広がっているが、今後の観光客増加を考えれば十分とはいえない。
両者はユニット単体での販売にとどまらず、礼拝室を中心とした空間づくりを支援し、施設の集客力向上につなげる。「お祈りに行きたくなる場所がつくれれば、新しい観光名所になることも期待できる」(佐久間代表理事)。ハラル・ジャパン協会が持つネットワークも活用してハラルに興味を持つ企業や地方銀行、自治体などに訴求していく。すでに第1弾として那覇空港に導入を済ませた。今後は都道府県ごとに1台をめどに拡販を進める。
<ラーメンも>
南北の中堅・中小企業がムスリム(イスラム教徒)用のラーメンづくりに乗り出した。1社が鹿児島県南九州市の南薩食鳥、もう1社が秋田県横手市の林泉堂。世界の人口の4分の1を占めるといわれるイスラム市場獲得の手段として、外国人にも人気の高い食品の日本ラーメンを選んだ。日本国内の「イスラム国(IS)」ショックも多少収まりつつあり、イスラム・ビジネスに対する関心も再び高まり始めた。
鶏肉業者の南薩食鳥は国産鶏肉の輸出拡大のためイスラム市場に注目、2011年からハラルフードの開発に着手、認証を得て、冷凍鶏肉やハム、ソーセージなどの販売を開始している。ハラルフード生産のために採用した実習生の話などから「ノンフライの鶏ラーメンやレトルトカレーの人気が高いことが判明。東京オリンピックが決まり、訪日観光客の拡大も期待できる」(徳満義弘社長)ことからラーメンとカレーの生産・販売に乗り出すことにした。
販売するのは塩としょうゆの鶏ラーメンと、チキンとビーフのカレー。日常食用は1人前で、400円。観光土産用はラーメンが1人前、2人前の2タイプあり500円と1000円。カレーは1人前のみでチキンが600円、ビーフが700円。「日常食用はスーパーなどに、土産用は免税店などに売り込んでいきたい」(黒木博常務)と話す。
林泉堂は秋田県内ナンバーワンの中華麺メーカー。ハラル食品の製造に乗り出すため倉庫を改造、ミキサーなど新規設備を導入しチャレンジ。大潟村のコメなど使い、「生麺では日本で初めて認証を得た」(林博樹社長)という。
しょうゆ、みそ、塩、さゆの4タイプのスープを用意。2人前で600円。「割高になっているが、今後、観光用、業務用を含めオーダーメード的につくっていきたい。とりあえず、マーケットを調査し、本格的にやっていきたい」と話す。すでに、東京では浅草のラーメン店「成田屋」がムスリム用のラーメンや弁当を手がけている。ムスリムが手軽にラーメンなどを食べられる日もそう遠くはなさそうだ。
2015年05月08日 建設・エネルギー・生活/中小・ベンチャー・中小政策面