ひな人形の同じ表情を3Dプリンターで再現

ふらここが製造・販売。前工程で職人が作る顔型は一品限り修正や再現が難しく

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ひな人形の顔を3Dデータを使い改良する編集ソフトの画面
 日本人形を製造販売する「ふらここ」(東京都中央区、原英洋社長)は、ひな人形の製造に3Dプリンターを導入した。通常、ひな人形の顔の型は職人が一個一個手作りするため同じモノは再現できない。この型をスキャンして3Dデータ化し、3Dプリンターを用いて同じ表情の顔を再現可能にするほか、データをもとに顧客の要望を新製品に反映するのが狙い。原社長は「既存の概念に縛られないお客さまの声を反映したひな人形を作りたい」と語った。

 ひな人形の製造は、職人が作った顔型をもとに石こうを使って人形の顔を作る前工程と、前工程で作った顔と体をつないで仕上げる後工程に分かれる。前工程で職人が作る顔型は一品限りで、修正や再現が難しく、顧客の要望を新たな製品に反映するのも難しい。

 同社では前工程で職人の作った顔の型を3Dデータで記録。再現性を持たせ、3Dプリンターを活用して顧客の声を柔軟に取り入れて顔型を改良する。後工程は職人の領域だが、伝統工芸と技術革新を組み合わせて新しいひな人形の世界を生み出すことを目指す。

 価格は、男びな女びな2体1セットの親王飾が7万円(消費税抜き)から。3Dプリンターを使ったひな人形の販売目標は2017年9月末までに1000セット、1億3000万円。

 同社は2008年に創業。インターネットのみで販売してきたが、より幅広い客層にアピールするため9月中旬にショールームを同社内に開設する。日本政策金融公庫渋谷支店は同社に「新事業活動促進資金」として4900万円を融資した。

日刊工業新聞2016年7月20日

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明豊
執行役員デジタルメディア局長 DX担当

職人の技とテクノロジーが組み合わさって新しい形で伝統産業に息を吹き込んでいくことに期待。とにかく伝統産業はビジネスとして回っていかないとダメなので。

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