訓練用の模擬臓器、シワの深さや人体の柔らかさも測る専用工場

タナックが大量生産し安価に供給

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 タナック(岐阜市、棚橋一成社長)は、医療用製品の専用工場を岐阜県各務原市で22日に稼働する。シリコーン製などの医療機器部品の生産性を高め、精巧で安価な訓練用の模擬臓器の大量生産も始める。胃袋の模擬臓器なら月数万個の生産が可能。医療用製品の売り上げは2016年7月期見込みで約8000万円。21年7月期に医療機器部品で3億円、模擬臓器で2億円、合計5億円を目指す。

 敷地面積は2322平方メートルで、3階建て建屋の延べ床面積は1621平方メートル。シリコーン、エラストマー、ウレタンの専用成形設備を備え、医療機器部品のためのクリーンルームも設けた。模擬臓器用にシワの深さや人体の柔らかさを測る評価装置を導入した。土地を含め投資額は5億円。従業員10人で操業を始め、17年3月までに15人に増やす。

 模擬臓器は医療教育機関での注射や外科手術の訓練、医療機器メーカーでの開発品評価などに使われる。医療ミスが社会問題化する中、より実物に近く多頻度で使える安価なタイプの需要が高まっている。同社はこれまで350種を開発し、皮膚、血管、臓器、骨の大半を製作できる。

 同社はシリコーン材料販売とシリコーン製などの美容用品のOEM(相手先ブランド)生産が主力。13―15年度に経済産業省の戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)で名古屋市工業研究所のほか、岐阜大学らと連携し、施術時の感触が本物に近い多層構造の模擬臓器の成形技術確立に取り組んだ。

(今週稼働する医療用模擬臓器を生産する工場)

日刊工業新聞2016年7月14日

COMMENT

村上毅
編集局第一産業部
デスク

形状や見た目だけでなく、手触りや質感も含めて、模擬臓器の質の高さが注目されている。医師の手術、手技を向上するためには模擬臓器や動物を使った訓練が欠かせないが、コスト等の面でも模擬臓器の需要は高まりそうだ。

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