キッチンが新築・リフォームの突破口に!―競争激化、長期保証や独自技術で差別化

TOTOのシステムキッチン「ザ・クラッソ」。従来型に比べて水栓のデザインも洗練されている
 システムキッチンを巡って、メーカー間の競争が激しくなっている。新築向けはもちろん、住宅リフォームの中でもキッチンは消費者の関心が高く、他の場所のリフォーム需要を掘り起こす突破口になる存在だ。選択に迷う消費者の心をとらえようと、他社にはない独自技術を前面に出した新製品の投入が目立つ。

会員に長期保証、5年という異例の長さ


 パナソニックは水回り設備の最上位機種「L―CLASS」シリーズのシステムキッチンを6月に発売した。同時にオーナー専用の会員組織も立ち上げ、会員は通常より長く商品保証の無償対応を受けられるようにした。特にキッチン機器の保証期間は、5年という異例の長さに設定。電磁誘導加熱(IH)ヒーターやレンジフード、食洗機などの設備を自前で開発・生産する、総合電機メーカーならではの強みを生かした。

 会員は操作方法や修理受け付けの専用相談窓口も利用できる。メーンターゲットの40―50代以上の顧客にとって、最新機器の操作は「ややハードルが高い」(パナソニック)。手厚いフォローで顧客満足度を高める狙いだ。

浄水器を一本化、「きれい除菌水」


 TOTOは中高級価格帯のシステムキッチンを6年ぶりに刷新した「ザ・クラッソ」を8月に発売する。これまでは、通常の水栓と浄水器を2本並べていたが、浄水兼用水栓を採用して一本化し、代わりにトイレで実績のある「きれい除菌水」の生成器を搭載した。排水網かごやまな板、ふきんも清潔に保てる。

 システムキッチンでは後発メーカーのTOTOだが、水栓金具は生産開始から70年の歴史を持ち、市場シェア首位と目されている。機能面の優位性を発揮しつつ、デザイン面にもこだわり「販売店や工務店が顧客に推奨しやすい商品」(TOTO)を目指した。

セラミックス製ワークトップに新色を追加


 LIXILは、今春発売した主力システムキッチン「リシェルSI」で、人気のセラミックス製ワークトップに新色を追加した。ワークトップには天然大理石やステンレスも品ぞろえしているが、セラミックス製の人気は高く、2015年度の出荷比率は当初予測の約3倍にのぼった。二次加工の内製化など、増産に向けた体制も整えている。

 クリナップは、主力製品の「クリンレディ」で初採用した「流レールシンク」を高価格帯の「S.S.」にも広げた。流レールシンクは、調理や洗い物の最中に流す水で、シンク内のゴミや汚れを排水口に流せる仕組み。

 15年度はクリンレディの販売が伸びた半面、S.S.は想定以下にとどまった。ショールームなどで使い勝手の良さを訴求し、巻き返しを図っている。
(文=斎藤正人)

日刊工業新聞2016年7月12日 建設・エネルギー・生活1面

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昆梓紗
デジタルメディア局
記者・編集者

機能的なキッチンが増えれば家事負担も減りそうです。おもにキッチンを使う女性たちの厳しい意見によって独自技術が磨かれてきたのでしょう。

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