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「ビール片手に議論」の効果は!?

産業春秋より
 プロースト(乾杯)!。ドイツ・ミュンヘン市内では、平日でも夕方になると街角でそんな声が聞こえる。野菜やソーセージを扱う市場には、必ず屋外で気軽にビールを飲める一角がある。友人が集まり、談笑するのが当たり前らしい。

 取材を終え、大混雑の中でビールを片手に席を探していると地元在住らしい夫婦が笑顔で声をかけてくれた。言葉は通じないが気さくな人柄は分かる。一緒に過ごし、思いのほかビールが進んだ。ドイツ人に対するお堅い印象が変わった。

 モノのインターネット(IoT)を使った新しいモノづくり「インダストリー4・0(I4・0)」はドイツの国策。工場から消費者の手元のパソコンやスマートフォンまでをつなぎ、社会全体で生産を効率化する。シーメンスやSAPが一丸となって実現を目指す。もちろん自国の産業競争力を高めるのが狙いだ。

 一方、日本は残念ながらこうした新しい動きについていけていない。個別の生産改善では世界トップでも、企業の枠を越え、業界をまたいで最適化する発想はなかった。

 ネット社会で欧米にリードを許した日本だが、モノづくりの分野で負けることになってはたまらない。ドイツ人を見習い、見知らぬ企業、業界の人とビール片手に議論を戦わせてはいかが。
日刊工業新聞2015年05月06日 1面
坂口孝則
坂口孝則 Sasaguchi Takanori 未来調達研究所
ところで、日本の企業間接待交際費はかなり高いはずだが、それは効かないという意味なのだろうか。それならば、ビール片手、とはどのような意義があるのだろうか。また、新聞社間の情報交換はほとんど進んでいないと聞いたが、産業界よりも進んでいるのだろうか。

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