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ルノー・日産幹部、英工場の増産継続に言及

日産・ルノーの昨年度のシナジーは4900億円。三菱自は「査定中で決定したものない」
ルノー・日産幹部、英工場の増産継続に言及

日産、英サンダーランド工場

 仏ルノー・日産自動車連合のアライアンスシニアバイスプレジデントのアルノー・ドゥブフ氏は5日までに日刊工業新聞社などのインタビューに応じ、英国のEU離脱が同連合に与える影響について「当然あると思うが不確実な情勢で今は確定的なことはいえない」と慎重に情勢を見極める考えを示した。日産が事実上傘下に収めることになった三菱自動車との協業については「三菱自の資産査定の最中でどうすればシナジーを発揮できるか考えている。決定したものはない」とした。

 欧州では日産が英、ルノーが仏を重要な生産拠点と位置付けている。英のEU離脱に伴い、英から仏に生産を移管する可能性について問われ「将来どこで何を生産するかは今はまったく語れない」とする一方で「短期的な計画に変更はない」とし日産の英工場の主力スポーツ多目的車(SUV)の増産計画を継続する方針を示した。

 ドゥブフ氏はルノー日産の15年度のシナジーが43億ユーロ(約4900億円)になったと発表した。機能統合した購買、開発、生産での効率化や役割分担が貢献した。「三菱自との協業を加味すればシナジーが上振れる可能性がある」とした。

どうなる高級ブランド「インフィニティ」の大型投資


日刊工業新聞2015年12月4日


 日産自動車は3日、英サンダーランド工場で高級ブランド「インフィニティ」の小型車の生産を始めたと発表した。日産が欧州で同ブランドを生産するのは初めて。同ブランドとして初の小型車でもある。欧州のほか、米国・中国にも輸出し販売する。生産体制を整えて、高級車事業の拡大をてこ入れする。

 総額2億5000万ポンド(約460億円)を投じて新設した同ブランド専用の組立工場で小型車「Q30」の生産を始めた。生産能力は年6万台。Q30をベースにしたクロスオーバー型の「QX30」の生産も2016年春に始める。

 高級車生産には高い品質が求められるため、高級車組み立ての専門スタッフを育成した。300人の新規雇用を創出しているという。

 日産チーフパフォーマンスオフィサーのトレバーマン氏は「Q30の生産開始は高級車の生産能力を強化していくだけでなく、インフィニティの成長と英国工場の新たな展望を示している」とコメントしている。

 インフィニティブランドの1―10月の世界販売は前年同期比16%増の17万3000台。特に西欧と中国で伸びている。
日刊工業新聞2016年7月6日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
貿易協定がないと、乗用車で約10%、部品も含めた乗用車関連産業で6%前後の関税がかかる。2015年に日産は48万台、トヨタは19万台、ホンダは12万台を英国で生産。ゴーン社長は国民投票の前に「未知より安定の方が事業としては有利な環境だ」との声明を発表し、離脱をけん制していたが当面は様子見だろう。

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