噴火の早期沈静化を願って箱根の新しい魅力やサービスを紹介!
25年ぶりの新型車両にエヴァとのコラボ、ドライバーや外国人にお勧め情報アプリも
<箱根登山鉄道に新型車両『アレグラ』>
小田急電鉄グループの箱根登山鉄道は、11月1日から営業運転を始める新型車両の3000形「アレグラ」を公開した。箱根登山鉄道の新型車両導入は25年ぶり。同社車両で初めて制御方式に可変電圧可変周波数(VVVF)制御装置を採用。ブレーキ時に電力を回収する回生ブレーキを導入するなど、消費電力を従来車両の半分に低減した。2両で8億円を投じ、川崎重工業が製作した。
従来車両に比べ座席の窓を上下に10センチメートル広くし、眺望を良くした。先頭と後方には床面からガラス窓になっている展望スペースを設置。車両のガラス面積が従来車両に比べ30%増えた。外観は箱根の新緑に合わせ、緋色とあかね色を混ぜた独自色「バーミリオンはこね」で塗装した。
(日刊工業新聞2014年10月10日 建設・エネルギー・生活面)
<ソフトバンクと箱根町がAR技術で寄り道の楽しさ提供。延長求める声多数>
ソフトバンクと神奈川県箱根町などが協力して、スマートフォンのアプリケーション(応用ソフト)や拡張現実(AR)の技術を利用したインフラを構築し、新たな観光振興策を推し進めている。購買力のあるシニアに加えて若年層を箱根に呼び込むために、スマホを使ったデジタルスタンプラリーを企画。指定された各ポイントにスマホをかざすと、人気アニメのキャラクターがそこにいるかのように現れる仕組みを取り入れた。今回の取り組みからは、情報通信技術(ICT)を活用した観光サービスの新たな方向性がみえてくる。
ARは現実の空間に仮想の物体などが存在するように表現する技術。ソフトバンクは箱根の観光協会や旅館などとデジタルスタンプラリーを開始。ARや全地球測位システム(GPS)のデータを活用し、箱根が物語の舞台である人気アニメ「エヴァンゲリオン」のキャラクターがARで登場するコースを用意した。
観光客が位置情報を表示する観光案内アプリを利用してスタンプポイントに到着すると、スマホでキャラクターを見ることができる。そのまま撮影して、スタンプを得る仕組みだ。周辺の店舗情報も同アプリから確認できる。
ARにより50カ所以上のポイントでキャラクターなどを表示する。見せ方にもこだわっている。例えば、エヴァンゲリオンで登場する都市を見せるスタンプポイントでは、観光客が訪れている時間帯に応じて、都市を昼間の情景にしたり、夕日で照らしたりして雰囲気を変えて表示する。「時間の認識技術により映像を出し分けている」(ソフトバンク)という。
スマホを通して視界360度すべてにエヴァンゲリオンのシーンを表示するポイントも設けた。エヴァンゲリオンのファンでなくても、箱根の各所を楽しみながら回ることができる。ソフトバンクの担当者は「デジタルスタンプラリーの狙いは利用者が定番の観光スポットを訪れるだけでなく、寄り道してもらうことだ」と説明する。ICTの活用により、従来のパンフレットといったアナログ手法だけでは限界があった「回遊」の楽しさを促せる。大事なのはARなどの先端技術を「手段」として使いこなせるかどうかだ。
このためソフトバンクは、ARでキャラクターを表示する場所を決める際に、地元とも相談したという。観光客が訪れることが少ない場所で、目玉のキャラクターを見せることで観光客の呼び込みにつなげられる。スタンプラリーの開催期間が当初は月末までだったが、継続の要望が強く延長を検討している。
スマホの活用はもちろん、観光客の位置情報やARをもとに最適な情報を提供する必要性も増している。ARなどを活用した観光地の仕掛けは工夫次第で無限に広がる。箱根での新たな観光支援の仕組みは、観光客の心をつかむサービスを創出する方策の一つ。ICTを使って何を実現するのか。事業者の提案力と、採用する顧客側の連携も大事になる。
※エヴァと箱根のコラボは3月31日でいったん終了
(日刊工業新聞2015年03月18日電機・電子部品・情報・通信面を一部修正)
<小田急やホンダが外国人観光客にドライバーにおもてなし>
小田急電鉄はグループの小田急トラベルが箱根湯本営業所の旅行販売店舗内で、2月6日から外貨両替サービスを始める。米ドルやユーロ、中国元、韓国ウォン、タイバーツなど15通貨の外貨現金買い取りを取り扱う。小田原旅行センターではすでに取り扱いを始めており、台湾ドル、マレーシアリンギット、インドネシアルピアの3通貨は、小田原市と箱根町の外貨両替窓口では、初めて取り扱う通貨となる。1回当たりの取引限度額は3万円。訪日外国人が増え、需要が拡大していることに対応する。
(日刊工業新聞2015年01月20日 建設・エネルギー・生活)
NTTデータとアイリッジ(東京都千代田区)は小田急電鉄のスマートフォン専用アプリケーション(応用ソフト)を構築した。同アプリは小田急グループが無料で提供する無線LAN「Wi―Fi」サービスを利用したインターネット接続ができる。神奈川県の箱根エリアの主要駅・港、小田急線新宿駅などで利用可能。箱根では同サービスに接続した位置の情報に基づき、最適な情報を6言語で閲覧できる。
2020年東京オリンピック・パラリンピック大会開催に伴い、世界各国からの訪日観光客の増加が見込まれる。今後、NTTデータとアイリッジは、訪日観光客向けにITサービスを提供する事業者に対して、システム開発を強化する。
(2015年03月18日 電機・電子部品・情報・通信面)
ホンダは走行ルートをもとに、周辺のおすすめ飲食店情報などをドライバーに教える新テレマティクスサービス「ROAD H!NTS(ロードヒンツ)」を開発した。カーナビでの店舗検索機能は以前からあったが、検索せずに車が店舗に近づくと自動で情報が送られてくるサービスは初めて。今秋、一部地域で実証実験を開始し、早期実用化を目指す。車の通信環境が整うことで、ユーザーを囲い込む情報サービスが増えそうだ。
ホンダのテレマティクスサービス「インターナビ」のコンテンツとして始める。車載機のメニュー画面から「ロードヒンツ」を選ぶと、アプリケーション「インターナビ・リンク」を介して飲食店などの情報がスマートフォンに送られる。通信により常に走行ルートを把握し、車の周囲5キロメートルの情報と目的地の周辺5キロメートルの情報を送る。
従来の飲食店案内は場所や料理ジャンルなどをドライバーが指定して検索し、全ての検索結果からドライバーが店舗を選んでいた。そこでホンダは操作の負担を減らしつつ、「知らなかったお店を発見し、ドライブを楽しくしてほしい」(担当者)と考えた。提供情報は同社が厳選した場所だけで、実証実験では箱根周辺の飲食店と美術館、温泉の合計100カ所。
今後、ニーズを取り込み、提供情報を拡充する。ドライバーの新しい発見になる情報の提供がコンセプトで、水素ステーション情報なども検討する。「ロードヒンツ」を選択した時だけ情報を提供するため、運転の邪魔にはならない。完成車各社はテレマティクスサービスが競合企業との差別化になると見て強化を進めている。トヨタ自動車は音声対話を取り入れた「T―コネクト」を開始した。
小田急電鉄グループの箱根登山鉄道は、11月1日から営業運転を始める新型車両の3000形「アレグラ」を公開した。箱根登山鉄道の新型車両導入は25年ぶり。同社車両で初めて制御方式に可変電圧可変周波数(VVVF)制御装置を採用。ブレーキ時に電力を回収する回生ブレーキを導入するなど、消費電力を従来車両の半分に低減した。2両で8億円を投じ、川崎重工業が製作した。
従来車両に比べ座席の窓を上下に10センチメートル広くし、眺望を良くした。先頭と後方には床面からガラス窓になっている展望スペースを設置。車両のガラス面積が従来車両に比べ30%増えた。外観は箱根の新緑に合わせ、緋色とあかね色を混ぜた独自色「バーミリオンはこね」で塗装した。
(日刊工業新聞2014年10月10日 建設・エネルギー・生活面)
<ソフトバンクと箱根町がAR技術で寄り道の楽しさ提供。延長求める声多数>
ソフトバンクと神奈川県箱根町などが協力して、スマートフォンのアプリケーション(応用ソフト)や拡張現実(AR)の技術を利用したインフラを構築し、新たな観光振興策を推し進めている。購買力のあるシニアに加えて若年層を箱根に呼び込むために、スマホを使ったデジタルスタンプラリーを企画。指定された各ポイントにスマホをかざすと、人気アニメのキャラクターがそこにいるかのように現れる仕組みを取り入れた。今回の取り組みからは、情報通信技術(ICT)を活用した観光サービスの新たな方向性がみえてくる。
ARは現実の空間に仮想の物体などが存在するように表現する技術。ソフトバンクは箱根の観光協会や旅館などとデジタルスタンプラリーを開始。ARや全地球測位システム(GPS)のデータを活用し、箱根が物語の舞台である人気アニメ「エヴァンゲリオン」のキャラクターがARで登場するコースを用意した。
観光客が位置情報を表示する観光案内アプリを利用してスタンプポイントに到着すると、スマホでキャラクターを見ることができる。そのまま撮影して、スタンプを得る仕組みだ。周辺の店舗情報も同アプリから確認できる。
ARにより50カ所以上のポイントでキャラクターなどを表示する。見せ方にもこだわっている。例えば、エヴァンゲリオンで登場する都市を見せるスタンプポイントでは、観光客が訪れている時間帯に応じて、都市を昼間の情景にしたり、夕日で照らしたりして雰囲気を変えて表示する。「時間の認識技術により映像を出し分けている」(ソフトバンク)という。
スマホを通して視界360度すべてにエヴァンゲリオンのシーンを表示するポイントも設けた。エヴァンゲリオンのファンでなくても、箱根の各所を楽しみながら回ることができる。ソフトバンクの担当者は「デジタルスタンプラリーの狙いは利用者が定番の観光スポットを訪れるだけでなく、寄り道してもらうことだ」と説明する。ICTの活用により、従来のパンフレットといったアナログ手法だけでは限界があった「回遊」の楽しさを促せる。大事なのはARなどの先端技術を「手段」として使いこなせるかどうかだ。
このためソフトバンクは、ARでキャラクターを表示する場所を決める際に、地元とも相談したという。観光客が訪れることが少ない場所で、目玉のキャラクターを見せることで観光客の呼び込みにつなげられる。スタンプラリーの開催期間が当初は月末までだったが、継続の要望が強く延長を検討している。
スマホの活用はもちろん、観光客の位置情報やARをもとに最適な情報を提供する必要性も増している。ARなどを活用した観光地の仕掛けは工夫次第で無限に広がる。箱根での新たな観光支援の仕組みは、観光客の心をつかむサービスを創出する方策の一つ。ICTを使って何を実現するのか。事業者の提案力と、採用する顧客側の連携も大事になる。
※エヴァと箱根のコラボは3月31日でいったん終了
(日刊工業新聞2015年03月18日電機・電子部品・情報・通信面を一部修正)
<小田急やホンダが外国人観光客にドライバーにおもてなし>
小田急電鉄はグループの小田急トラベルが箱根湯本営業所の旅行販売店舗内で、2月6日から外貨両替サービスを始める。米ドルやユーロ、中国元、韓国ウォン、タイバーツなど15通貨の外貨現金買い取りを取り扱う。小田原旅行センターではすでに取り扱いを始めており、台湾ドル、マレーシアリンギット、インドネシアルピアの3通貨は、小田原市と箱根町の外貨両替窓口では、初めて取り扱う通貨となる。1回当たりの取引限度額は3万円。訪日外国人が増え、需要が拡大していることに対応する。
(日刊工業新聞2015年01月20日 建設・エネルギー・生活)
NTTデータとアイリッジ(東京都千代田区)は小田急電鉄のスマートフォン専用アプリケーション(応用ソフト)を構築した。同アプリは小田急グループが無料で提供する無線LAN「Wi―Fi」サービスを利用したインターネット接続ができる。神奈川県の箱根エリアの主要駅・港、小田急線新宿駅などで利用可能。箱根では同サービスに接続した位置の情報に基づき、最適な情報を6言語で閲覧できる。
2020年東京オリンピック・パラリンピック大会開催に伴い、世界各国からの訪日観光客の増加が見込まれる。今後、NTTデータとアイリッジは、訪日観光客向けにITサービスを提供する事業者に対して、システム開発を強化する。
(2015年03月18日 電機・電子部品・情報・通信面)
ホンダは走行ルートをもとに、周辺のおすすめ飲食店情報などをドライバーに教える新テレマティクスサービス「ROAD H!NTS(ロードヒンツ)」を開発した。カーナビでの店舗検索機能は以前からあったが、検索せずに車が店舗に近づくと自動で情報が送られてくるサービスは初めて。今秋、一部地域で実証実験を開始し、早期実用化を目指す。車の通信環境が整うことで、ユーザーを囲い込む情報サービスが増えそうだ。
ホンダのテレマティクスサービス「インターナビ」のコンテンツとして始める。車載機のメニュー画面から「ロードヒンツ」を選ぶと、アプリケーション「インターナビ・リンク」を介して飲食店などの情報がスマートフォンに送られる。通信により常に走行ルートを把握し、車の周囲5キロメートルの情報と目的地の周辺5キロメートルの情報を送る。
従来の飲食店案内は場所や料理ジャンルなどをドライバーが指定して検索し、全ての検索結果からドライバーが店舗を選んでいた。そこでホンダは操作の負担を減らしつつ、「知らなかったお店を発見し、ドライブを楽しくしてほしい」(担当者)と考えた。提供情報は同社が厳選した場所だけで、実証実験では箱根周辺の飲食店と美術館、温泉の合計100カ所。
今後、ニーズを取り込み、提供情報を拡充する。ドライバーの新しい発見になる情報の提供がコンセプトで、水素ステーション情報なども検討する。「ロードヒンツ」を選択した時だけ情報を提供するため、運転の邪魔にはならない。完成車各社はテレマティクスサービスが競合企業との差別化になると見て強化を進めている。トヨタ自動車は音声対話を取り入れた「T―コネクト」を開始した。
日刊工業新聞2014年10月09日 自動車面