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河西工業、車の天井部品で中国進出。顧客の幅広げ年産20万台の新工場

ホンダなどから受注
河西工業、車の天井部品で中国進出。顧客の幅広げ年産20万台の新工場

河西工業が手がける天井内装部品

 河西工業は自動車の天井内装部品で中国市場に参入する。中国・武漢市に自動車の天井部品生産会社を設立し2017年に稼働する。ホンダなど中国にある現地完成車メーカーから新規受注を獲得したため、生産拠点を設ける。生産能力は年間20万台規模で、19年3月期に新会社で売上高約15億円を目指す。天井部品事業を主力のドア内装部品事業に並ぶ収益の柱に育てる。

 新会社「東風河西武漢頂飾系統」は、中国・東風汽車系列の東風偉世通汽車飾件系統(東風ビステオン、湖北省武漢市)との折半出資の合弁会社が全額出資する。資本金は約2億5000万円。

 河西工業はドア内装部品をはじめ自動車内装部品事業を展開する。天井部品の供給では他社より後発だが、近年は完成車メーカーへの採用に成功し、現在は日本、米国、メキシコで供給する。今回、中国でも新規受注したため現地生産し、顧客のニーズに迅速にこたえる。

 同社の中国を含むアジア地区の16年3月期売上高は全体の16・8%にあたる399億円だった。

日産と取引が多いサプライヤーの業績は


日刊工業新聞2016年5月17日



 日産自動車への供給が多い部品メーカー8社の2017年3月期連結決算は、6社が営業減益を見込む。北米の好調さが続くが、円高による為替効果が減速し、大幅な利益増が見込めないため。各社は生産合理化などを進め、利益を確保する。

 「今期も北米や中国向けの好調さが続く」(ヨロズ佐草彰取締役専務執行役員)と各社は前期同様、北米や中国が全体の業績をけん引すると予測する一方、為替による収益の圧迫を課題にあげる。

 パイオラックスは今期の為替レート1ドル=105円の設定に伴い、売上高で前期比55億円、営業利益で同6億5000万円程度マイナスを予測。「(今期日本、北米、アジア、英国で収益が下がるのは)円高が要因」(同社)と説明した。

 各社は原価低減や生産の合理化などに積極的に取り組む。カルソニックカンセイは「部品の調達コストの削減や物流、生産の効率化を進める」(秋山豊彦財務戦略企画グループ部長)とし、増益での着地を目指す。河西工業も生産性向上と原価低減活動を推進する。

 一方、ヨロズは米国で労働市場が逼迫(ひっぱく)している状況を指摘。「米国の拠点で離職率が増加し、生産性の低下が悪化しないよう対処するのが急務だ」(佐草取締役専務執行役員)とした。
日刊工業新聞2016年6月30日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
河西工業は業界では知る人ぞ知る自動車内装部品メーカーで特に技術開発力に強みを持つ。最近では補強材を含まない樹脂「ノンフィラーポリプロピレン(PP)」を使った射出発泡成形技術を開発。自動車の内装トリム部品を発泡成形することで、発泡させない従来製品と比べ18%の軽量化を実現した。日産自動車への供給が多いが、最近では独ダイムラーと初取引が決まるなど顧客の幅が広がっている。技術開発による製品競争力の強化などで事業拡大を図る。 (日刊工業新聞第一産業部・下氏香菜子)

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