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特許庁がAI活用した特許審査、来年度に実証

 特許庁は2017年度に、人工知能(AI)を活用した特許審査の実証実験を始める。16年夏にもNTTデータと共同で、出願内容の分類や過去の特許情報の収集などの自動化について検討に着手する。特許や実用新案、意匠、商標は年間50万件を超える出願がある。AIによる業務効率化で、23年度までに特許権利化までの期間を現状比半分の平均14カ月に短縮する目標を達成する。

 特許審査は申請書類に索引を付けて分類し、書類不備や料金減免措置などを確認。次に発明内容を理解し、先行技術を調べ、最終的に特許性を認めるかなどを判断する。まず、これら業務ごとにAIで効率化できるかを費用対効果を含めて検討。その後、17年度をめどにAIを活用できると判断した業務について、特許庁本体の業務と切り離し、AIを試験運用する計画だ。

 AIによる審査の実用化時には、申請内容の分類や不備の発見、判断材料の収集などをAIが担う。出願内容の新規性や進歩性などを評価する業務は従来通り人が担当する見通しだ。
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日刊工業新聞2016年6月23日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
欧州特許庁など一部の海外機関もAIを特許審査に活用できないか検討中。各国当局間での国際連携の機運もある。

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