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今後は家庭に調味料もなくなる?キユーピー「キット総菜」市場を深耕

家庭内調理時間減に対応
 キユーピーは家庭で行っていた調理の一部を省く流れをにらんで、「キット総菜」の市場を深耕する。単身世帯や共働き世帯、高齢夫婦2人世帯の増加により家庭内調理時間が減少。同社はカット済み素材と調味料を合わせたキット総菜の需要が増えると見ている。グループ各社のノウハウを生かしキット総菜を開発し、生活協同組合のルートで販売を始めた。2016年度に25億円、数年後に40億円の売上高を目指す。新たな販路開拓にも取り組む方針だ。

 キユーピーは既存店舗の閉店などで生活用品の購入に困る“買い物難民”の問題に対応し、販路開拓にも力を注ぐ。また、同社はオフィスに定期的に野菜を届けるオフィス内野菜宅配ベンチャーに出資しており、こうしたルートに加え、新聞社の宅配ルートなどを活用し、高齢者向けメニューを自宅に配達する。運用状況を見て、拡大や改良を図る。

 キユーピーはマヨネーズ、ドレッシングなどの調味料を中心にカット野菜やポテトサラダ、卵加工品、業務用総菜などの子会社を持つ。グループの総合力を活用し、フライパン調理など一手間でできるキット総菜の開発を加速する。

 カレーやけんちん汁セットはスーパーなどで販売されているが、中身は野菜が主で、スープやだしなどは入っていない。

 同社は家庭内調理の減少により「今後は家庭に常備してあった調味料もなくなるケースが予想される」(三宅峰三郎社長)とみている。

 同社が提供するキット総菜で酢豚の場合、ソースはケチャップと黒酢を合わせたものを使用。ニンジンやたまねぎ、ピーマン、豚肉などがカットした状態で2人前のセットになっており、スーパーへ買い物に行かなくて済む。
日刊工業新聞2016年6月21日 建設・エネルギー・生活1面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
調味料とカット済み野菜がセットで、あとは火を入れたり調理すれば完成するというキットですが、そこまでするならもう出来あいの惣菜と変わらないような気がします。ひと手間入れる、というのはどういったニーズなのでしょうか。

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