猛暑やゲリラ豪雨がビル空調設備にも影響

空研工業、過酷環境を再現する試験棟

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 空研工業(福岡市中央区)は、福岡工場(福岡県宮若市)に環境試験棟(写真)を完成、稼働を始めた。ビル空調などに使われる冷却塔の試験能力を強化するのが目的。一定温度での性能検証が年間を通じて可能になり、製品開発期間の短縮につながる。

 試験室の大きさは横12メートル×奥行き13メートル×高さ13・7メートル。室温を0度Cから40度Cの間で調整可能。1時間当たり40ミリメートルの雨を再現できる。冷却塔の開発以外にも充填(じゅうてん)材の性能試験や密閉式冷却塔の熱交換器開発にも活用する。最近は冷却塔の開発において高温や豪雨など厳しい環境での試験ニーズがあるという。

 空研工業は冷却塔や吹き出し口などのメーカー。環境試験棟の整備は創立60周年事業の一環として行った。

(充填(じゅうてん)材の性能試験や密閉式冷却塔の熱交換器開発にも活用)

富士電機、不快指数基準に制御する新空調技術


日刊工業新聞2015年12月8日


 富士電機が不快指数を基準にした運転制御技術を、外販するビルエネルギー管理システム(BEMS)へ搭載する。同社は同技術により今夏の東京工場内(東京都日野市)の夏の空調エネルギーを平均7%削減。除湿を控え、温度設定を28度Cよりも低くするとエネルギー消費が抑えられる制御を見いだし、最大で23%削減するなど成果を挙げている。2016年上期からオフィスビルや病院向けに売り出す。

 不快指数は人が感じる不快さの数値。東京工場の7階建ての事務所ビルで温湿度から不快指数を計算し、空調設備を制御するコントローラーを設置した。ガスを燃料とする吸収式冷温水発生機で冷温水を作り、全室の冷暖房に使う空調方式はそのまま利用した。既設のガスヒートポンプエアコンも補助的に使った。

 1割の人が不快と感じる目安の不快指数「75」を基準に設定。湿度が高くても、28度Cよりも設定温度を下げて75以下に保つ運転制御をした。除湿に費やすエネルギーが減り、7―8月のエネルギー消費量を7%削減できた。最高気温が35度Cを超えた日でも9%の削減効果が出た。

 通常の空調制御では室温だけを計測して湿度も下げようとするため、除湿のエネルギーロスが多い。不快指数を基準とすると無駄な除湿運転が減る。富士電機は冷温水機のあるビルに新空調制御を搭載したBEMSを提案する。政府が決めた30年度までの温室効果ガス排出量削減目標でビルは約40%減が設定されており、空調の省エネ対策が求められる。

大手6社の今期業績は?


日刊工業新聞2016年5月18日


 空調設備工事大手6社の2017年3月期連結業績予想は、5社が受注高で前期比減を見通す。ビル空調では都心再開発などの大型案件が豊富なほか、20年の東京五輪に向けた需要など業界環境は明るいが、各社は収益性を重視。好採算案件の選別に軸足を移しており、前期と同様に慎重な姿勢は崩していない。設計者や現場技術者など人手不足にも拍車がかかり、量より質を重視する傾向が一層高まっている。

 大気社は受注高見通しを前期比9・7%減の2002億円に設定。国内の産業空調分野は引き続き堅調に推移するものの、海外主力市場であるタイの受注高が、同8・2%減の393億円と落ち込む見通し。高砂熱学工業は受注高を2630億円とし、前期と同水準で推移すると予想。民間設備投資の改善を想定するが、人的リソースの逼迫(ひっぱく)や、工事利益の確保が課題となる。

 海外展開の進む両社は円高の影響も出始めており、為替への感応が受注や利益に影響を及ぼしつつある。ただ円高基調で、国内回帰だった製造業が再び海外に軸足を置く可能性もあり、今期以降は海外受注の積み上げも期待できそう。

 三機工業や新日本空調は収益力の拡大に向けた動きを加速する。人工知能やIoT(モノのインターネット)など、先端技術を用いた新技術・新サービスの開発を推進。高収益事業の創出で、利益体質の改善を急ぐ。

日刊工業新聞2016年6月17日

COMMENT

宮里秀司
出版局
企画委員

今年は猛暑やゲリラ豪雨による被害が懸念されます。こうした環境下で耐えられるビル空調設備の開発には、試験設備が必要とされています。

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