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ヤマハ発はオフロードビークルでポラリスの独壇場を崩せるか

スポーツモデルを北米市場に投入
 ヤマハ発動機はオフロード専用車両(ROV)の2人乗りスポーツモデル「YXZ1000R SS=写真」を7月から北米市場などへ投入する。価格は標準仕様で約220万円。米子会社のYMMC(ジョージア州)で生産し、年間1万台の販売を見込む。

 15年9月に発売した5速手動変速機(MT)モデルをベースに、ハンドルを握ったまま変速操作が可能なパドルシフトシステムを搭載した。クラッチ操作なしでMT車の楽しさを味わえる。新モデル投入により、16年のROVの販売は前年比1・5倍の3万3000台を計画する。
日刊工業新聞2016年6月16日
中西孝樹
中西孝樹 Nakanishi Takaki ナカニシ自動車産業リサーチ 代表
オフロード専用車両(ROV)市場は30万台を超える巨大なレジャー市場だ。この市場はヤマハは発動機が生みだしたにも関わらず、PL問題が災いし競合のポラリス社の独壇場となってしまった。市場再参入は、ヤマハ発動機の米国での重要かつ唯一ともいえる成長市場である。「バイキング」「ウルヴァリン」に続き、鳴り物入りで投入した「YXZ1000R」がMTの操作性を理由に思わぬ不振で事業の先行きに暗雲が漂っていた。この打開を目指すのが、セミオートマチックのパドルシフトを搭載した「YXZ1000R SS」である。中期経営計画最終の2018年度までにROV販売で6万8000台を目指している。

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