オムロン「つながる工場」へ賽は投げられた!

草津事業所のFA機器生産データを他工場でリアルタイム共有へ

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草津事業所などでの運用を視野に検討を始めた
 オムロンは国内外の自社工場をネットワークでつなぎ稼働状況などを共有するシステムの構築に乗り出す。プログラマブルロジックコントローラー(PLC)などFA機器の生産が主な対象。

 草津事業所(滋賀県草津市)で確立した稼働データ収集・分析システムを他工場に展開し、データをリアルタイムで共有可能にする。ドイツのインダストリー4・0などで複数工場の連携が志向される中、IoT(モノのインターネット)技術を用いた自社発の事例を提示し、ビッグデータの収集・送信に対応したPLCの拡販につなげる。2016年にもシステムの一部を完成させ公開することを目指す。

 草津事業所、中国上海市のFA機器工場などでの運用を視野に検討を始めた。どちらかの工場で需給が逼迫(ひっぱく)した際、もう一方がリアルタイムで対応し代替生産することなどを想定する。機密性を確保するため、まずプライベート(私設)クラウドでのデータ共有を構想しているもようだ。

 草津事業所では既にPLCの生産でビッグデータ活用システムを運用し、顧客などへ公開している。PLC用の基板1枚1枚が実装ライン上で移動するタイミングなどをセンサーが検知し、生産の進捗(しんちょく)状況を可視化する仕組み。

 生産量を常時把握できるほか、個々の基板が1工程ごとに要した時間がグラフに示されるため、ムダなどが生じるとすぐに判明する。

 工場同士がリアルタイムで連携するインダストリー4・0の構想に触発されてか、国内のFA業界ではIoTに関連する動きが活発だ。三菱電機は拠点間の通信時などにデータの安全性を確保する機器を開発。ファナックも遠隔地で稼働するロボット向けの監視機能を今夏提供開始する。

 国内製造業は欧米に比べIoT活用に消極的とされるが、オムロンを含めたこうした取り組みが各業界のトップ企業をどう動かすかが注目されている。

日刊工業新聞2015年05月01日1面

COMMENT

明豊
執行役員デジタルメディア局長 DX担当

日本のSCMはタコツボのように進化?し、PLM、CRMとかまったくリンクしていない。インダストリー4.0はIT産業のコンセプトドリブンのかっこ良さと、現場のどろくさい業務があまりに差があり過ぎる。一方でFAシステムの頭脳であるPLCは、今後ドイツ主導で標準化が進む可能性がある。FA機器の主力ユーザー、例えば自動車メーカー、部品メーカーはノウハウが詰まっている情報を外部に出さない。ドイツのインダストリー4.0の注目点はボッシュが加わっていること。日本もトヨタやデンソーなどがIT子会社などを通じて、業界標準プロトコル作って外販していくぐらいしないと、大きな流れにならないのではないか。

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