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シミックHDが軟膏剤の生産能力を2倍に!

外部生産委託の動きに対応
 シミックホールディングス(HD)は軟こう剤などの生産能力を現行比2・2倍の1日当たり11万本にする。医薬品製造受託機関(CMO)子会社の富山工場(富山県射水市、写真)に充填機を1台増設する。原料、中間体、製品の保管倉庫も新設し、一連の総投資額は約10億円。製薬会社が自社工場の品目を絞り外部へ生産委託する動きが拡大する中、これら需要を取り込む。

 CMO子会社のシミックCMO(東京都港区)は、2015年から富山工場で生産が需要に追いつかず、足利工場(栃木県足利市)や静岡工場(静岡県島田市)からの応援、工場の休日稼働で対応していた。今後も安定成長が見込めると判断し設備増強を決めた。

 工場内の配置変更などで設置場所を作り、8月中にも稼働する。10グラム入りの金属製チューブに充填する場合、1日6万本生産できる。既存の同5万本と合わせた生産能力は同11万本に拡大する。高薬理活性物質を含む軟こう剤などにも対応できる。

 新設する倉庫は6月中に着工し、17年2―3月の完成を見込む。

 シミックHDは15年9月期のCMO事業売上高が前期比1・4%増の138億円、営業損益は静岡工場の稼働減が響き3億円の赤字だった。製造受託の受注増や工場の生産性向上に取り組み、20年9月期に売上高200億円、営業利益15億―20億円を目指す。
日刊工業新聞2016年6月14日ヘルスケア面
村上毅
村上毅 Murakami Tsuyoshi 編集局ニュースセンター デスク
新薬メーカーが、研究開発に経営資源を集中する中、製造はCMOにというように、製薬業界で機能分化が進んでいる。CMOの存在感が一層高まっている。

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